Tokyo BOREDOM in Kyoto at METRO (Kyoto)

この日はMETROで行われたTokyo BOREDOM in Kyotoに行って来ました。2DAYSで行われたイベントの、二日目です。

7時間に及ぶプログラムは、ステージとフロアにそれぞれPAを組み、途中二度の休憩以外は切れ目なくライブが続くという形式。かなりの爆音バンド揃いとMETROの圧迫してくる音響で、終わった頃にはヘトヘトになってしまいました。

とは言え内容は、ヘトヘトになっても最後まで帰れない充実ぶりで見所満載。

休憩二回でタイムテーブルを割ると三部構成になるので、以下、その要領でレポート。

第一部ではworst tasteふつうのしあわせシャムキャッツOUTATBEROが登場。

単音弾きのギターが印象的なworst taste、軽妙な変拍子が心地良いふつうのしあわせと続いたところで、METRO内の音響は爆音で早くも限界に。シャムキャッツはバリバリと割れた音のため、持ち味を活かし切れなかった感じ。新曲は良かったですけど。

OUTATBEROは特に印象に残らず、最初の休憩へ。休憩明けには、音の荒れが持ち直してました。バンドによるのかな。

耳を休めての一発目は非常階段。なんと京都での演奏は8年ぶりだとか。「今日は小学校の同級生が来てくれてます(笑)。故郷に錦を飾りに来たぜ」と和んだ話で始まったJOJO広重のMCでしたが、さっきまでで大人しめだったお客さんを見てのことか「今日は思いっきり暴れて帰ってくれ。京都、こんなもんじゃないよな」とハッパをかけて演奏開始。序盤からフロアを煽りまくり、ギターを振り回したりフロアに飛び降りたりと、その度にケーブルが抜けながらも全身で盛り上げます。当然フロアも絶叫とモッシュで応答し、音量の増加と共に興奮の度合いも上がって行きます。

そこにJOJOがギターを突き出して弾かせたり、前方のお客さんの頭を掴んでギターにこすりつけたり、フロアにマイクを掲げてお客さんに叫ばせたりと、ヒートアップするお客さんにどんどん燃料を注ぎ込みます。

後半ではJOJOがダイブ、そして小堺文雄が二度ダイブし、熱狂に次ぐ熱狂。この日の全アクト中、最もエンタテインメントしていて、最もロック的カタルシスに溢れた演奏でした。

続いてのULTRABIDEが終始イカつい重低音を轟かせるゴツゴツとした演奏で盛り上がりを継続させたところで、フロア中央でのゆーきゃんの弾き語りにつなげるという、ある意味シュールな展開へ。最後の曲では「僕は静けさは最大の暴力だと思ってるんで、最後に僕の暴力を聞いてください」と、PAも通さず完全に生音で歌い、第二部に轟音と微音の激しいコントラストを生み出していました。

第二部のラストはPANICSMILE。メンバーチェンジ前も含めて初見でしたが、なかなか聴き応えのある、癖になりそうなストレンジ・ポップという感じ。

体力的にも鼓膜的にも限界に近づいての第三部は、オシリペンペンズでスタート。休憩中にフロア前方で何度もゲロを吐きながらメンバーをベタ褒めするという奇行を見せつつ、やはりこの日の演奏も「完璧な未完成」を見せつけます。笑顔でアイコンタクトを交わしながら、ガッツポーズを取りたくなるような緊張感あふれるインタープレイ。三人が三人とも一点に向かって集中力を高めながらインプロヴァイズし、グルーヴする。新曲も魅力的で、「時は来た」のニューアレンジも文句無しの素晴らしさ。ここ最近でもベストパフォーマンスかな。

GROUNDCOVER.でまたもや爆音・轟音地獄。強烈にヘヴィなダブレゲエから高速ブラストビートまで、低域が痩せる事なくずっしりと重戦車が走りながらマシンガンをブッ放すような破壊力で、かなり格好良かったです。

続いてのYOLZ IN THE SKYは、メンバーが代わったからか、以前見た時の印象とは随分変わっていて、よりミニマルなダンスミュージック寄りになった模様。こうなってしまうとあんまり面白味がないなぁ、と思ったのと、キンキンなる高音が耐えられないレベルに達しておとうたさんみたいになりそうだったのとがあって、一旦ロビーに退避。

トリ前のBEDは、Number Girlの息子たち、という印象。そういうバンドは沢山いますし、徹底的に体力と聴力を奪われた状態で聴いても、特に何も感じず。

そして、最後はLimited Express (has gone?)

僕が最後にリミエキを観たのは3年前
この時のリミエキの印象は最悪で、僕はその事をそのままブログに書きました。

HOP KENの杉本君がこの日現場にいたらしく、後日、僕と同じ印象でネットを検索してた時に僕のその記事を見つけたのが当ブログを知るきっかけだった……という話を、去年視聴会に遊びに来てくれた時に聞きました。

僕はその段階でも「リミエキ終わってるよね」みたいなことを言っていたと思うんですが、杉本君は「今はまた良くなってますよ」と言っていて、気になりつつも観る機会もなくこの日を迎えた、という経緯があります。

始まるまではやはり半信半疑で、柵の向こう側で様子見してたんですが、バンッ、と演奏が始まった途端、ぶったまげました。完全に生まれ変わってる……。

オリジナルメンバー時代の、狂ったようなハイテンションで緩む事なく疾走するスピード感そのままに、よりハードコアな破壊的サウンドに巨大化していて、狂った猛獣のようにフロアを暴れ回ります。「手放し奏法」もお客さんに狂気が伝搬して、モッシュにダイブに大騒ぎ……という風景もまた懐かしい。

歳を重ねて高見恭子みたいな風貌になったYUKARIのイタいMCは相変わらずいただけない感じたっぷりでしたが、これだけの壮絶な演奏を見せられては文句のつけようがありません。もうヘトヘトだしつまんなかったら速攻帰ろう、と思っていた身体を力づくでフロアに押し戻され、最後まで前方で踊ってしまいました。

そんな感じで、15時半から22時過ぎまで続いた極限状態のイベントは終了。

容赦なく音のデカいライブに行くのが久し振りすぎて耳栓を持って行くのを忘れたのが最大のミス。一日過ぎようとしてる今も耳鳴りが残っています。やっぱりこの手のイベントには耳栓必須ですね。もう若くないし……。

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