POPPOPO at NAKED (Osaka)

この日はNAKEDにPOPPOPOを観に行ってきました。

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NAKEDは地下鉄南森町駅より徒歩10分ほどの閑静なビル群の中にひっそりとある小さなスペース。内装も全く無い、必要最低限の機材を放り込んだだけというシンプルさが、表からも中からも目立ったサインがあまり無いことと相まって秘密集会的なムードすら漂う、純度と濃度の高い空間です。

まずは吉田ヤスシ+西滝太+ArihiruA+入江崇によるインプロヴィゼーション。エフェクターとマイク、カセットテープを使った吉田の鋭利で怪しげなビートとボイスパフォーマンスが全面に強く出ていましたが、白眉は西のピアノ。アップライトピアノを駆使して、アブストラクトな即興の中で繰り広げられるジャジーなフレーズや軽快なホンキートンク調の演奏は、実に痛快。神妙に音を重ねるというよりも、パワー全開でぐんぐん前に突き進むアグレッシブさが、他のメンバーの無調演奏の中で極めて強力なアクセントになっていましたし、何より、そのフレーズ一つ一つが実に聴き応えのあるきらびやかさを放っていて、PARAやサイケ奉行のように鍵盤奏者のパーソナリティが前面に出て来ないバンドでの演奏しか知らなかっただけに、とても新鮮でした。

POPPOPOは、POPOとDODDODOの合体ユニット。思いもよらない組み合わせですが、言われてみれば悪くなる気が全くしない相性の良さを予感させる両者。そして結果はやはり、見事な相乗効果を生み出した完璧な演奏となっていました。

POPOとDODDODOの持ち歌を代わる代わる合奏していましたが、POPOの持つ牧歌的なムードとDODDODOのイノセンスが凄まじいシンクロ率で混ざり合い、音が鳴ったと同時に、考える隙や理屈をこねる時間を与えず、一瞬で心の中に入ってきます。この分かりやすさがまた素晴らしい。
POPOの曲は、DODDODOが電子音を重ねることでトランペットやオルガンの音の意味合いさえも刷新されているように感じました。普段のPOPOは、曲も演奏も完璧なんですが、逆に隙が無さ過ぎてその安定感が面白さをスポイルしていると感じる時があるんですが、DODDODOの持つ“不確実性”のようなものがより個々の楽器を際立たせ、安定しながらも強い振幅を起こし、より深い味わいが生み出されていました。

DODDODOの曲は、いつもの爆音ではない小さな音に囲まれての歌の魅力……というアンプラグド的な再発見もありながら、“POPOによるDODDODOのリミックス”のような大胆なアレンジが実に素晴らしく、POPOでしかあり得ない朴訥としながらもエモーションが溢れるプレイと、全員合わせての「どっ」や「たぬきっ」というボイシングの遊び心は、稲田誠とのコンビやneco眠るによるカバーとはまた別の方向から、DODDODOの音楽の魅力を再定義していました。

このセッションはDODDODOにとっての新境地だと思いますが、こうやってあらゆるアプローチを受けるたびに、次々と新たな花が咲いていくような、その生み出した音楽が持つポテンシャルの高さには驚くばかりです。

ド DODDODO

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