「反復する鳥たちの深遠」 at Shangri-La (Osaka)

この日はShangri-Laで行われたworld’s end girlfriend & POLTERGEIST ensembleと夢中夢の対バンイベント・「反復する鳥たちの深遠」に行ってきました。

チケットは完売。会場内は足を一歩動かすのさえ一苦労という密度でした。

夢中夢は初見でしたが、10数年前だといわゆる「メロデス」のひと言で片付けられそうな、耽美なムード、デス声、オペラティックな女性リードボーカル、ストリングスを従えての荘厳な楽曲、という王道メニューでしつらえられた演奏。Vampilliaと比較されたりもしてるようですが、Vampilliaの場合、クリシェを破壊する奇天烈さやシリアスとユーモアが同居し破綻しかかっている様が魅力的なのと比べれば、あまり突出した魅力を感じませんでした。冒頭での映像を使った演出も、独りよがりでやや空転気味。

world’s end girlfriend & POLTERGEIST ensembleもライブは初めて観ました。後になってメンバー編成を知って徳澤青弦氏がいたことにびっくり。

CDでの精密かつ重厚な作り込みの極地といったサウンドではなく、打ち込み無し、SEもエッセンス程度に加え、バンド演奏での表現に集中したパフォーマンスは、アルバムと同じ曲を演奏してはいても、全くの別物。バンド用に再構築した完全なる別バージョンでした。

CDでの、全ての音が完璧に組み合わさった音を想像すると特にリズム隊が頼りない感じがありましたが、立ち上がる世界観はまさしくWEG。あのアルトの音とストリングスが絡み合うだけで、WEGの世界に引き込まれてしまいます。

静寂から轟音、優しさと厳しさ、完全に統制されたアンサンブルから、解放されたフリーインプロビゼーションへ……と、シンプルな編成でどこまで表現できるか挑戦するような振り幅の広さ。生演奏だからこそ表現できるエモーション。録音物では無限のツールでスキゾ的に雑食的表現をしながらも、ステージでは肉体的な音作りに取り組む氏の音楽哲学を垣間見たような気がしました。

セットリストはおよそこんな感じだったと思います。

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