スキマ産業vol.34〜キツネの嫁入りレコ発編〜 at Shangri-La (Osaka)

この日はシャングリラで行われた「スキマ産業vol.34〜キツネの嫁入りレコ発編〜」に行ってきました。

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オープニングアクトはha-gakure。ヒップホップをベースにしながらも、マシンビートではないバンドサウンドによる肉体的なビートとダブレゲエや純邦楽のエッセンスも漂わせたミクスチャースタイル。しかしその言葉だけでは想像もつかないオリジナリティが、ライムから、リズムから迸っていて、最後まで目の離せない緊張感が漲っていました。

MCではキツネの嫁入りのレコ発に宛てた手紙を読んだり、その新譜がどれだけ素晴らしいかを語ったりと、丁寧に声を荒げず言葉を紡ぐMCのスタイル同様の誠実さが感じられましたが、プロフィールを見て現職の僧侶と知って納得。原発についての歌も歌っていましたね。

続いては山本精一の、ドラムスにTaiqui、キーボードに西滝太を従えての歌ものバンド。3月の旧グでもそうでしたが、フォーキーなナンバーを、ひとつひとつの音を噛み締めるようにじっくり、ゆっくりと演奏し、そこにディストーションとリバーブをふんだんに重ねた轟音ギターが乗るというスタイルは、ここのところ精力的に歌ものに取り組んでいる印象のある(というか想い出波止場水道メガネのような飛び道具的ライブの印象が薄い)氏の、現在追求しているひとつの方向性なのでしょうか。ゆっくりと演奏するのは難しい、とはよく聞く話ですが、音符の隙間が時間の感覚を狂わせ、轟音の中で全てが静止しているかのような感覚さえも生じるその音世界で響くまろやかな歌は壮絶なまでに魅力的に輝いていました。

トリ前は、石橋英子×アチコ。実は一番最初のピュアオーディオ視聴会でマドナシさんがかけてくれていたんですが、あまりインパクトのある録音ではなく、聴いたのはそれっきりで、その後も聴く機会のないままでした。

しかし、ライブでの二人の演奏は正に圧巻。シャングリラの音響との相性も良く、ピアノは倍音が減衰も含めて美しく響き、ボーカルは高音が天井を突き抜けるようにどこまでも美しく伸びてゆきます。ぴったりと寄り添う双子の姉妹のようにユニゾンで奏でられるメロディの繊細さと共に、強烈に涙腺を刺激されました。やはり音楽にとって音響はとても大切だと再認識しました。

そしてトリはキツネの嫁入り約半年ぶりに観ましたが、セットリストは特に変化が無いながらも、演奏はよりタイトかつパワフルに成長しており、始めはリハーサルでなかなか成功しなかったという難曲「せん」も危なげなく、余裕すら感じる安定感を見せていました。

初耳の新曲は無く、本編ラストの「死にたくない」意外は全て新譜からのナンバー。

アンコール曲は「静かな曲とアッパーな曲のどちらか」とお客さんに問いかけ、アッパーな曲に決定。密かに、キツネ流ハードコアチューン「ブルー、始まりと、終わりと。」を期待しましたが、キツネ随一の絶唱が聞きものの「ヤキナオシクリカエシ」を演奏。最後の最後に全力を振り絞るようなサビというのも、通り一辺倒な音楽を是としない彼らのレコ発らしいですね。

俯瞰せよ、月曜日
俯瞰せよ、月曜日 キツネの嫁入り

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