ザ・たこさん at Shangri-La (Osaka)

この日はShangri-Laで行われたザ・たこさんのレコ発イベントに行ってきました。

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トップバッターのオーサカ=モノレール久々に観ましたが、濃厚で熱いギンギンの高純度ファンクは健在。16ビートを全身で刻む中田亮のシャープなダンスも、隅から隅までドス黒いソウルで満たされたタイトなバンドサウンドも、炎天下で熱せられたコンクリートブロックのように熱くハードで揺るぎなく、破壊力も抜群。やっぱり素晴らしいバンドです。音楽マニア丸出しでディープな話を嬉しそうに話す中田氏のMCも素敵でした。

初見だった在日ファンクは、SAKEROCKで垣間見られるハマケンのファンク魂が全開のサウンド。ボーカルに徹し、シンガーそしてエンタテイナーとしての才能を遺憾なく発揮したパフォーマンスもなかなかのものです。完成度の高さはオーサカ=モノレールに及ばないものの、そこはオリジナリティでカバー。ハマケンの代表曲とも言える「京都」、「会社員と今の私」でデモ音源だけ耳にしていた在日ファンク版「最北端」が聴けたのも嬉しかったです。

そして、新譜のナンバーを中心に、アンコール含め2時間近くたっぷり楽しませてくれたトリのザ・たこさんは、こちらも初見。由緒正しきファンクのマナーを守っていた前の2バンドと違い、もう少し広義のソウル・ミュージックという感じ。

しかし、何と言っても肝はフロントマン・安藤八主博。ルチャリブレ風のコスチュームとマスクで登場した安藤氏のでっぷりとした貫禄ある風貌から繰り出される太くパワフルな歌と、汗だくになりながら、ゴリラの形態模写(「ゴリラの息子」)をはじめ、多彩なバリエーションで楽しませてくれるコテコテのアクションはインパクト抜群。歌声に聴き惚れる隙を与えないほどに連発する奇怪なパフォーマンスに腹を抱えて大笑いさせてもらいました。

「ケンタッキーの東」では、客席をビール片手に練り歩き、戻って来ると何か食べている様子。3番の歌詞に入る寸前に頬張り、もごもごと殆ど歌えてない始末。マイクのケーブルが抜けた際には、慌てて差し直さずに、ビートに乗せてゆっくり差してみせて楽しませてくれます。アンコールでは、真っ直ぐ立っただけで肉離れを起こしそうになり、苦悶の表情。またひとつ笑いを取ります。

こういうこと一つ一つが単なる悪ふざけにならず、笑いを生み出し、フロアを盛り上げることにつながっているところに、好き嫌いを恐れない関西のアクの強さ、そしてそれを使いこなす熟練のセンスを感じます。

「初期のRCサクセションを聴きながら」では、アルバムでは入っていなかった「君が僕を知ってる」のサビの引用があり、本編ラストの「サヨナラ生活」では、清志郎のエンディングでの恒例の寸劇のパロディ(マントを執事ならぬスパンコールのジャケットに変な布の帽子を被ったMCの人にかけてもらいながら退場すると、テンポアップして演奏が再開され、安藤氏が白目を向いてフラフラになりながら戻って来る、という繰り返し)をしていたりと、随所に清志郎風味。そして終演後に、この日のDJ、シングルマンがかけた曲は「ラプソディー」でした。

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