KRAFTWERK at なんばHatch (Osaka)

この日はなんばHatchKRAFTWERKを観に行きました。

kraftwerk

昨年のNO NUKESでの来日から一年足らずなのでかなり早いタイミングのように思えますが、関西での公演は「Tour de France Soundtracks」リリースツアー以来なので約10年ぶり。

東京では、世界的に話題になった3D映像と「Radio-Activity」から「Tour de France Soundtracks」までの8作品それぞれを中心にしたプログラムを毎日一作品ごと、8日間に渡ってパフォーマンスする公演を行いましたが、その後の大阪となるこの日は、一日のみ。

入り口で3Dメガネを貰い、Hatchのフロアほぼ真ん中辺りで開演を待ちます。ステージは垂れ幕に隠され、その垂れ幕にはドット絵になったメンバーのイラストが映写されていました。

開演が近づき、不規則な電子音がうっすらと響き始めたかと思うと、客殿が落ち、聴き慣れた“The Robots”のイントロが聞こえて来ます。

そして垂れ幕が落とされ、ステージ上にはお馴染みのテーブルとワイヤーフレームの全身タイツ。

驚いたのは映像で、いつもの見慣れたマネキン風人形の動く姿が、目の前にリアルに飛び出して来ます。以前から使ってた映像のどこにこんな情報があったのかと目を疑う生々しさ。3D映画の字幕のような要領で画面の手前に表示される文字の分離も鮮やか。

“Numbers”では、画面を埋め尽くす大量の数字が遠くへ引っ込んだり目の前に飛び出して来たり蠢いたり、と3D効果が如何無く発揮されていて、申し分の無い大迫力。

全般的にKRAFTWERKの使う映像は、どこかいなたかったり古臭かったり安っぽかったりして、それが彼ららしくて良いんですが、そのチープさと3Dがマッチするのかどうか、観る前は半信半疑でしたが、これが意外にも、シンプルな分パンチもあり、曲によっては(“The Model”のような全編昔のモノクロ映像の曲など)効果が薄いものはありつつも、非常に楽しめる演出効果になっていました。

残念だったのは、“Musique Non Stop”で、あのポリゴン顔がどんな感じで飛び出すのかと期待していたんですが、おそらく当時のフィルム素材しか残っていないのでしょう、ほぼ今まで通り(他が鮮明な分、これだけくすんで見えるぐらい)の映像。まさか今の3Dソフトで読み込めるようなフォーマットのデータが残っているとはそもそも思ってはいませんでしたが、どうせシンプルなCGなんだから作り直してくれても良かったのになぁ……。

楽曲については、NO NUKESでは痛恨のミスをしてしまった“Metropolis”(改めて聴けたのは嬉しかったです)、初見だった“Boing Boom Tschak”“Spacelab”以外は、10年前の来日時に近い、ベストオブベスト的な選曲で、まあ一日で纏めるとこうなるわな、という予想通りのセットリストではありましたが、“Autobahn”の後半や、前半は“Expo 2000”時のリズムで入った“Planet of Visions”など、曲レベルではアレンジを変えているものが多く、マンネリ感はあまりありませんでした。

そして“Radio-Activity”は、NO NUKESの時同様の“FUKUSHIMA”アレンジ。あれから1年近く経ち、未だ問題は収束せず、状況はなおも悪化、政治はクソ忌々しいことばかりという状況も手伝ってか、去年聴いた時以上に胸が苦しくなり、涙を堪えるのに必死でした。

お客さんは終始大盛り上がりで、曲が終わるたびに文字通り割れんばかりの拍手喝采。大合唱こそなかったものの(“Dentaku”は除く)、曲中も四つ打ちリズムに併せて手拍子が起こってましたし、マナーもノリも、事前に聞いていた東京公演でのお客さんの雰囲気とは随分違っていました。アンコール前には、本編ラストの“Musique Non Stop”でのお馴染みのメンバー一人ずつの退場の後、ラストのラルフ・ヒュッターによるまさかのMC(しかも日本語)も手伝ってか、今まであまり聞いたことが無いぐらいの轟音の手拍子。

“Pocket Calculator〜Dentaku”、“Planet of Visions”でアンコールも終了。メンバー全員がステージ前方に並んでの挨拶もあり、寄る年波によるものなのか、冷徹な機械的演出が随分と和らいできたようです。

総演奏時間は2時間強。約40年に及ぶ歴史を包括したプログラムは、活動期と沈黙期を行き来する彼らの音楽が時代と共に様々な解釈をされてきたことを俯瞰しつつ、今また新たな解釈が生まれようとしている進歩性/流動性と、それに耐えうるメロディの強さ、普遍的なプリミティブさを鮮明にするかのようなパフォーマンスだったように思います。それは今やテクノでもロックでも、ましてや歌謡曲でもない、“ポップミュージック”の一つの到達点を見るような極上の体験でした。

以下、セットリストをウドー公式より転載。振り返ってみると、「The Man-Machine」の曲は全部やってたんですね。

THE ROBOTS
METROPOLIS
NUMBERS
COMPUTER WORLD
HOME COMPUTER
COMPUTER LOVE
THE MAN MACHINE
SPACELAB
THE MODEL
NEON LIGHTS
AUTOBAHN
TOUR DE FRANCE 1983 + INTRO
TOUR DE FRANCE 2003
VITAMIN
RADIOACTIVITY
TRANS-EUROPE EXPRESS
AERODYNAMIK / TITANIUM
BOING BOOM TSCHAK
MUSIQUE NON STOP
– encore –
POCKET CALCULATOR
DENTAKU
PLANET OF VISIONS

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