この日はHARD RAINで行われた「夏のあくび その25 -まちのあかり‐」に行って来ました。
トップバッターは3月33日。男性三人の編成で全員がリードボーカルを取れるというのが新鮮で、穏やかながらそれぞれキャラクターの違う歌声が非常に魅力的したが、光っていたのは何と言ってもギタープレイ。叙情的に弾けば真っ暗なフロアに光が溢れるようなきらめきを放ち、激しくかき鳴らせば、感情を揺さぶり怒号が渦巻くそのエモーショナルな音は、柴山伸二を彷彿とさせながらも、きめ細かで精緻なトーンコントロールは、ライブでの柴山の歪んでドタバタと跳ね回るロック然としたサウンドとは対極を成しています。
曲も非常に魅力的で、しかもまだまだ成長の余地を感じさせる、とても良いバンドでした。
続いては、1年半ぶりの白い汽笛。観られなかった間にたくさんのライブと初の音源リリースを経験したことが糧になっているからか、演奏やMCに落ち着きと余裕が感じられました。
それにしても……本当に素晴らしい。涼やかな声とそれにマッチした丸い音のエレアコがたまらなく心地良く、それを支えつつ、ブレイクで抜群にセンスの良いフレーズを聴かせてくれるベースがめちゃめちゃに上手い。そしてそこに花を添えるウクレレとオルガンの音に、嬉しくてニヤニヤしてしまいます。
ゆったりとした演奏から漂う言い知れない魅力に身を委ねているだけでドラマのような感動を覚えるパフォーマンスに、ただただ酔いしれました。
ここでフロア横の物販コーナーにスクリーンとプロジェクターが用意され、大橋裕之の単行本リリース記念トークショーへ。プロフィールの紹介から、単行本の全話解説、そしてこの日のトリであるマリリンモンローズの新譜ジャケットを手がけるに至ったエピソードを話していました。僕は漫画をほとんど読まないので氏の作品もほとんど目にしたことが無かったんですが、トークの面白さに爆笑(「ネットでの公開厳禁」と再三釘を刺した「秘密のコーナー」も最高過ぎました)しつつも、氏の漫画の面白さにも少し惹かれてしまいました。目の描き方に特徴のあるタッチですが、本人の顔が結構絵と似てたというのも面白い発見でした。
トリのマリリンモンローズは、病み上がりで体調が優れなかったので内容如何で早めに切り上げようと思って観ていましたが、あまり特筆すべきものが感じられなかったので、数曲聴いて帰りました。やはり人がいっぱいな時のHARD RAINは暑くて暗くてスモーキーなので結構辛い……。
シティライツ(1) (モーニングKC) | |
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大橋 裕之
講談社 2011-10-21 |