この日はなんばHatchにEGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP OF JAXXを観に行きました。
ここ数年、作品の完成度とバンドの強靭さが「自己満足でない形で」高まっており、とにかく「いい風」が吹いている雰囲気の感じられる彼らですが、この日もその充実度を反映させるように、ほぼ新作と前作に集中したセットリストで、熱くタイトなパフォーマンスを繰り広げてくれました。
新作はまだ聴けていないんですが、楽曲のクオリティは前作に比肩するもので、メロウな展開になる中盤も緩むことなくフロアをしっかりと引きつけていました。
中納良恵の歌唱力は改めて言うまでもないですが、歳を追うごとにその上手さに余裕が感じられ、尚且つ、鼻につくようなところが一切なく、昔ながらの「A love song」を歌っても未だフレッシュに聴こえるという素晴らしさ。
また、余裕ということで言えば、以前はあまりMCの得意ではない、ステージではひたすら全力で演る、というバンドだったのが、MCにも気負いやぎこちなさがなくなり(そのMCでは、セスナを使った広告について触れていましたが、ほぼ誰も目にしたことがなかったらしく、ほぼ無反応)、演奏面でも、「スカル」でドクロのコスプレをしたり、アンコールでは全員ステージ中央、センターマイクの前で音曲漫才風のパフォーマンスで「moment to moment」(ブレイクで、アムザ1000のCMソングをインサート。当然、超上手い)を歌う(そしてここから中納&森が背中合わせになり、デュオで歌い始める「サイコアナルシス」が凄まじく格好良かった)など、アンサンブルがより筋肉質になりながらも、柔らかな良い筋肉が付いていることが感じられました。
相変わらずの「キラーチューンは最後に取っておく派」なセットはお約束すぎる気がしますし、2時間弱の演奏時間では物足りなさもありましたが、まあ素晴らしい演奏の前では些細なことです。
ないものねだりのデッドヒート 通常盤 | |
EGO-WRAPPIN’
トイズファクトリー 2010-09-15 おすすめ平均 |