この日はShangri-Laにソウル・フラワー・ユニオンを観に行きました。
僕にとっては半年振りのライブ、そしてバンドにとっては新作の先行リリースとメンバーチェンジ直後のツアー。
ライブは、その新メンバー・高木克のスライドギターをフィーチュアした「ラヴィエベル」でスタート。いつもながら、彼等のライブは一曲目ではお客さんとのノリが上手く噛み合わない感じがあるのですが、続いての「ムーンライト・ファンファーレ」でバンドのグルーヴが一気にフロアを飲み込みます。
いつにも増して強烈なエネルギーを放出するバンドサウンドの源は、前任の河村博司よりも積極的に存在感をアピールする高木氏のフレッシュさと、今までにないほど切れ味鋭く表情豊かにリズムを刻む伊藤コーキだったのではないでしょうか。
特に伊藤氏は、いつもの、どことなく平坦で、餅つきでもしているかのような印象が微塵もなく、曲の魅力を最大限に引き立て、静かな曲はより叙情的に、激しい曲ではよりアップリフティングに叩いていました。
本編ラストの「風の市」〜「ブルー・マンデー・パレード」でのテンション、最後に演奏されたヤケクソ気味の高速版「神頼みより安上がり」での疾走感は、彼の存在感がフロアを揺すっていたと言っても過言ではないのではないでしょうか。
数えきれない名曲の数々、そしてその楽曲を最高のコンディションで奏でるアンサンブル。メンバーチェンジによってサウンドがより強化され、バンドはさらにステップアップをし始めたようです。何と頼もしい。
この日の演目は、「満月の夕」が無く、「潮の路」、「平和に生きる権利(歌詞が一部「ゲバラは歌う ボリビアの空から」と変えていました)」、「ムーンダンス〜ロンドン・デリー」、「風の市」などがおなじみのナンバー。
他に、マキシシングルが先行発売されていた「ルーシーの子どもたち」、そして同シングル収録の「秋田音頭」、高木氏加入後に作られたという新曲。
いつもの奥野ピアノをフィーチュアしたインストに加え、高木氏のスライドギターを聴かせるブギーナンバーも。
さらに、リズムをレゲエ調にアレンジした「夏到来」(猛烈な暑さだったこの日にはピッタリでしたね)、上村美保子歌唱による「霊柩者の窓から」(初めてライブで聴きました。彼女の声では若干力不足な感はありましたが、意外な選曲にやはり興奮。後ろで過剰に動き回る中川氏が可愛かったです)等々、いつもながら毎度鮮度を失わない、そして最後まで飽きさせない絶妙な構成。
そして何より感動的だったのが、最初のMC後に歌われた「僕の好きな先生」〜「サヴァイバーズ・バンケット」という流れ。「サヴァイバーズ・バンケット」は、元々どんとに捧げた曲だったと思いますが、こんなところで、こんな流れで歌われることになるとは……。
MCでは、いつもながらの阪神の話題、9月に出るというライブアルバムの話、「Peace Music Festa!’09 from宜野湾」の話(なんとOZOMATLIが出るとか……子供が大きければ行きたかった)、奥野真哉が名古屋でやっているラジオ番組(番組に対するハガキやメールの反応が全くない、という自虐ネタ)など。
終演後、フロアの壁に「ルーシーの子どもたち」のミュージックビデオが流されていました。ちょっと今までに無かった演出でしたね。ビデオも久々に格好良い仕上がりでした(最近のは、結構辛いものが多かったので……)。
「このメンバーにたまに伊丹英子を入れて、あと40年ぐらいやっていくから、よろしく」(by中川敬)
<セットリスト>
ラヴィエベル 〜人生は素晴らしい!
月光ファンファーレ
夏到来
スライダー・カツ
ルーシーの子どもたち
ぼくの好きな先生
サヴァイヴァーズ・バンケット
アクア・ヴィテ
秋田音頭
平和に生きる権利
海へゆく
霊柩車の窓から
殺人狂ルールット
そら
ロンドン・デリー
ホワイトハウスを爆撃
潮の路
Shinya’s Blessings
風の市
ブルー・マンデー・パレード
〜アンコール〜
海行かば 山行かば 踊るかばね
〜アンコール2〜
神頼みより安上がり
ルーシーの子どもたち | |
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