シャムキャッツ at Shangri-La (Osaka)

この日はシャングリラシャムキャッツを観に行きました。

シャムキャッツatシャングリラ

前回「AFTER HOURS」リリース直後でしたが、あれから一年でここまで進化したのか……と驚かずにはいられない強烈なライブでした。

一曲目“SUNDAY”から、伸び伸びとした出音に余裕が感じられましたが、どっしりとした安定感と熱量は十分。バンドとしての成熟度の高まりとメンバーの充実度が伝わってきます。ミスタッチや音の走っているところが散見されるんですが、それが自然発生的でありながら、生々しさや燃えたぎるような迫力に直結していることに驚かされました。それ程、バンドアンサンブル自体に一つの塊としてのエネルギーが漲っていて、確かな説得力を生み出していたんだろうと思います。

それは1年前の、「AFTER HOURS以前と以後の曲」にまだ差異を感じる演奏をしていた頃とは全然違います。新フェーズへと入った新曲と過去の曲がいかに共存するか……という点に聴き手も演じ手も手探りの感覚が残っていましたが、今はそんなぎこちなさや硬さは微塵も感じません。自主制作移行期の前のめりな爆音スタイルから今に至る全ての演奏スタイルから使えるものは残さず引っ張り出して、過去も現在も全て消化し切った上で、随所に新たなアレンジや細かなアドリブ(これもメンバー全員が同時多発で繰り出しながら、決してエゴのぶつかり合いにならず、バンドのグルーヴとしてまとまっているところも素晴らしい)を交えながら、腰の据わった「シャムキャッツ」というひとつのバンドサウンドを鮮やかに描き出している、という感じがしました。

その中で、新曲となる「TAKE CARE」からのナンバーでも同じように違和感無く溶け合っていたのもさすがという感じがしましたが、それでいて、新曲がセットリストの中で「最新鋭のシャムキャッツサウンド」として一層煌びやかに響いていたのも印象的でした。僕はこの時点で新譜を購入していなかったので、殆どの曲はこの日初めて耳にしたんですが、ワクワクするようなリフ、展開、ドキドキするようなリリック、フレーズに胸が高まり、完全に曲自体のパワーとバンドの自信に漲ったエネルギーに引き込まれてしまいました。それも、1stからの曲も含むキャリア/スタイルを縦横無尽に駆け回るセットリストに合わせて、時にはソリッドに、時にはサイケに、大暴れするときはどこまでもラウドに……と自在にサウンドをコントロールする溝口紘美によるPAあってこそ。シャングリラの音はディテールがぼやけて潰れがちなのであまり好みではないですが、そんなところも、ソリッドな曲ではキリッと引き締め、ラウドな曲では突き刺さるほどに爆発させ……と、溝口氏によってハコの音がバンドの演出に巧みに昇華されていたように思います。こういった音響面の充実は、幾年にも渡ってタッグを組み続け、彼らの成長を見守りながら支え続けた彼女ならではなのかも知れません。

曲間のMCでは、そんな成長を感じられる堂々とした立ち居振る舞いを見せつつ、夏目知幸が“Don’t let me down”を日本語詞をつけてお遊び的に一節歌ってみたり、アンコールでは灰皿片手に延々煙草を吹かして「ここ絶対撮るよね」とさり気なく写真撮影を促したり(この日、開演前にスタッフから「開演中の写真撮影はお断りします」というアナウンスがありましたが、その後しばらくして「さっき開演中の写真撮影はお断りしますと言いましたが、フラッシュ無しならOKです。対バンだと厳しいんですが、今日はワンマンなので」と訂正される一幕も)、アットホ―ムさや遊び心は相変わらず。この時のツアーは先行チケット購入特典としてタブロイド紙のようなパンフレットが付いてきましたが、それもインタビューや新譜におけるレコーディング秘話などが満載で、ファン目線でのコンテンツ作りのセンスも磨きがかかっています。

ちょっとここしばらく無かったぐらい、いわゆる「ロックバンド」の演奏で興奮し、胸が高鳴り、ライブの後興奮して後先考えず物販に走ってしまう程の感動がありました。結局、今リアルタイムに活動しているアーティストの音を聴く醍醐味って、こうして成長や変化をライブの現場でつぶさに感じることのできる瞬間にこそあるんだな、と改めて感じ入りました。

TAKE CARE
TAKE CARE シャムキャッツ

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