聖飢魔II at 東京国際フォーラム (Tokyo)

この日は東京国際フォーラム聖飢魔IIを観に行きました。

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前回の再結成(当ブログでは名古屋大阪のレポート載せてます)から五年。あの劇的な解散へのドラマがあったにも拘らず繰り返される再結成、エース清水長官の不参加など、かなり信者熱も醒めてしまった状態ではありましたが、やはり観ておきたい……ということで、紆余曲折ありながら(名古屋も行く予定でしたが、大阪で視聴会やってました)、最終ミサ会場へ足を運ぶことに。

開場15分後ぐらいに到着しましたが、会場前は長い長い入場列。そして、その周囲ではメイクアップした信者の方々の写真の撮り合い。係員の方は「参拝券をお持ちの信者の方は入場列にお並びくださーい」とアナウンス。久しぶりのミサの雰囲気にちょっとニヤリとしてしまいます。
広い広いフォーラム内、しかも2階席の後ろから10列目ぐらいだったので、延々歩いてようやく座席へ。

この時点でミサが二部構成だということを初めて知り、終電を調べるも、電波状況が不安定で手間取ったりしながらようやく開演。

いつもの構成員による場内アナウンスも無く、「GO AHEAD!」から始まるミサは、前回の再結成時とは違い、非常にシリアスなムード。デーモン小暮閣下のMCも太く低く、ユーモアを交えながらもお気楽な雑談は挟まず、かなりマッシブなサウンドで、それまで若干斜に構えてみていましたが、気がつけば口からこぼれる歌詞のフレーズ。でもさすがに振り付けとかは完全に忘れてましたね。というか、身体が覚えてないので、そういう風に手足が持っていかれなかったという感じ。

閣下の声も、声量に難のあった前回よりも遥かにパワフルで、解散前と比べると劣りはするものの、必要にして十分。一部ラストの「BAD AGAIN」では最盛期に迫る歌唱を披露していました。

PAも素晴らしく、フォーラムのようなだだっ広い会場で、ほぼ最後列の席でも最前列のような臨場感と分離で音が届いていて、中心でくっきりと響く閣下の声とアンサンブルのバランスも絶妙でした。

この一部がかなりタイトでハードなセットだったので、さすが聖飢魔II、同じことの繰り返しでは終わらせず、新機軸で挑戦したなぁ、素晴らしい、と感動していたんですが、二部開始前には、お馴染みの構成員による場内アナウンス(ここで注意事項言ってどうするんだ)、「アダムの林檎」での長々としたイニシエーション、構成員紹介を交えての座談会的な長いトークコーナー、と、結局は昔のまんまの黒ミサに。

今回は、お約束のナンバー(と一部新曲。これも前回の再結成でCD化されていたものと比べると雲泥の差の佳曲)で固められたセットリストを大幅に変えること無くツアーを回ったということですし、昔の信者というよりも、今まで生でミサを観たことの無い「解散後の信者」向けの内容でしたね。初めての参拝者が長官のいない「RATSBANE」を聴いてどう思ったのかは分かりませんが、二部構成であることも含め、ここに来てようやく聖飢魔IIが現役で活動するには限界を迎え始めたな、というのが僕の感想です。

演奏中も、閣下がキーを間違えたりリンゴを拾い損ねたりと、昔の「歌詞の間違い連発」とはちょっと違う、「衰え」がチラついていましたし、そもそも長官不在の理由は、恐らくこのミサツアー自体が構成員の同意の元で始まった話ではなくて、色々ビジネス的な話の中で進めざるを得ない、という部分があったのではないか、という勘ぐりもしたくなります。

勿論ミサは楽しかったですし、終電の都合でアンコール前に帰ったものの、後ろ髪引かれる思いであったのも間違いありません。聖飢魔IIを超えるHR/HMバンドは、今もなお日本には一組たりともいないでしょう。それでも、現役時代の彼らからすればやはり大幅に見劣りしますし、当時は心底楽しんでいたMCも、今やむずがゆいような感じすら覚えてしまいます。やはり期間限定での再結成では、時代を血肉化したパフォーマンスはできないし、それができない聖飢魔IIは、聖飢魔IIではない、と言っても過言ではありません。

これにて聖飢魔IIは三度封印されることになりますが、できればもうこの封を二度と解かず、代わりに、最盛期のアーカイブ映像のリリースや、解散ミサ3DAYSの再発など、貴重なコンテンツの発掘作業に全力を注いでほしいものです。

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