毎月慈善団体に寄付してみるシリーズ・その1:シリア

前回記事「私たちは如何にして心配するのを止めて世界を愛するようになれるのか」での宣言通り、今月から寄付を始めようと思います。ただ、単純にどこか一団体に絞るのも難しいし、現在の収入/削れる無駄な支出からしても大した額にはならないので、ここはひとまず、毎月どこか違うところに寄付して、それをきっかけに慈善団体についてより広く知るきっかけにしてみる、ということに挑戦してみようかと思います。

寄付額は、「あなたが救える命」には「100万ドルで収入の5%」と書かれていたことと(僕はその3分の1程度の収入です)、僕が現在、明確に「無駄な支出」と判断できるもの(平日、ほぼ毎日購入していた、スムージー1杯+勤務中小腹が空いた際に食べる為の間食。2週間ほど前にやめました)を照らし合わせて、とりあえず「6,000円」と設定しました。

寄付先は、「有名でなく、大規模でないところ」で、その月ごとに僕の興味関心に近い活動を行なっているところ、ということにしておきます。また、それをグーグル検索で探していては途方も無いので、ある程度絞り込みを行う意味で、とりあえずJANIC正会員の中から選ぶことにします。

というわけで、今月は未だ解決の糸口がつかめない「シリア問題」に関する活動を行なっている団体から選ぼうと思います。

2011年の内戦を発端に戦争状態が続くシリアでは、約2,200万人の人口のうち560万人が難民として国外に移住し、国内避難民を合わせると、人道支援を必要としている人の数は1,000万人を超えるそうです。

トルコやレバノンといった隣国が主な難民受け入れ先となっており、レバノンに至っては400万人の人口の国で100万人という規模で受け入れていますが、日本は「今後5年間で300人」と昨年表明したというレベルで、主に資金援助で支援しているという立場だと思います(僕はアレッポの石鹸を長年愛用していましたが、この戦乱によって多くの生産者が廃業し、一部は国内の安全な地域に工場を移転、一部は避難先のトルコで事業を継続しているそうです。トルコ産のものは、名前も「アレッポの石鹸」ではなくなり「オリーブとローレルの石鹸」となりましたが、変わらぬ品質で、今も愛用中です)。

一方で、いくつかの日本のNGOが難民支援を行っています。JANICの正会員の中から探してみました(100以上の団体があるので、見落としもあるかもしれません)。

難民を助ける会(AAR Japan)は、トルコのシリア難民への支援を2012年から続けています。
トルコ(シリア難民支援)|日本生まれの国際NGO AAR Japan[難民を助ける会]

パルシック(PARCIC)は、2015年からトルコでの難民支援を、2016年からはレバノンでの難民支援を続けています。
シリア難民 | 特定非営利活動法人パルシック(PARCIC)

日本紛争予防センター(JCCP)は、2016年よりトルコでの支援を行なっています。
トルコ事業 メルスィン市における難民生活支援 | 認定NPO法人 日本紛争予防センター(JCCP)

ジェン(JEN)は、2012年から今年3月まで、ヨルダンで難民支援を行なっていました。
シリア難民支援速報 | Blog | あなたの支援・寄付で世界の難民に自立を。特定非営利活動法人ジェン JEN

セーブ・ザ・チルドレン国境なき医師団は現地支援を行なっています(規模の大きい国際的団体ですので、寄付の候補からは外します)。

では、それぞれ事業報告書を簡単に見ていくことにします(以下、無意味にデザイナー目線なのは職業病です)。

AAR Japanの収支報告は、デザインこそシンプルでオーソドックスですが、事業報告を見ても活動規模の大きさに思わず面食らいます。公的資金だけで10億規模……初めて名前を知りましたが、とても大規模でした。その中でもシリアへの支援に総支出の約3割が割かれており、多岐にわたる海外向けの支援の中でも抜きんでています。

PARCICの報告書はAARと比べると予算が一桁違いますが、報告書は綺麗・丁寧にデザインされていて好感が持てます。支出におけるシリア支援の割合は約14%。

JCCPの事業報告書は最も簡素なデザインで、いかにもWordで作りましたという感じ。いや別にそれで何の問題もないと思いますよ。予算規模はPARCICの半分弱ですが、シリア支援の割合は約25%と高めです。

JENの報告書は、PARCICから更に2桁少ない予算規模なのに、完全にプロの仕事、というレベルのデザインですので、どなたかプロボノで協力されているのでしょう。その分、情報量はシンプルにまとめられていて、そこは功罪あるかな、といったところです。支出におけるシリア支援の割合は5割に及びます。

支援の割合で言えばJENが最大ですが、すでにシリアへの援助は他の国際支援団体に引き継いでるということ。次いで支援の割合の大きいAARはかなり大規模なので上記の寄付の基準からは外したいところです。PARCICはシリアへの割合は最小ですが、事業地を選んだ寄付が可能になっています。

以上の検討を行った結果、今回はPARCICに寄付することにしました。
寄付の申し込みページには6,000円というメニューがなかったので、1,000円と5,000円、2回に分けて申し込みました。

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それではまた来月。

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