Jaajaを観るのは3月のHARD RAIN以来二度目。
結論から言えば、“涙が出るほど素晴らしい演奏”でした。
悲喜交々を端々に潜ませたような音ひとつひとつの響きのどれもが、心の奥をザラリと撫で回すような深みを持っており、彼らの内に秘められた得体の知れない何かドロドロとした内面が音のフィルターで浄化されて出てきているような、温かくも時に爪を立ててくるエモーションに心が強く揺さぶられます。
曲間に訥々と語られる海外でのヒッチハイクツアーでの土産話の、異文化に触れるワクワク感と強烈な刺激は、久しぶりに会う旅行好きの親戚にでも会って、夕飯を囲みながら異国の風景を妄想するような快楽と、知らない世界の知らない文化に触れる感動があり、ムジカのスケールと2時間というゆったりとした長尺セットが、そんなアットホーム感を最大限に“生き生きとした時間”に昇華させていました。
オープニングアクトとして、そして後半には共演もした岡沢じゅんも、繊細さと強靭さ、柔らかさとハードさ、優しさと厳しさを同時に発露するような歌が印象的で、Jaajaのメンバーと楽しそうに絡むその姿を見ているだけでも胸に温かいものが込み上げてきました。
メンバーの出産も控えているということで、次にフルメンバーでワンマンができるのはいつになるか分かりませんが、またぜひ、ゆっくりと旅の話を聴きながら歌の世界に酔いしれる時間が味わえればと思います。
はだかのたまご | |
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Jaaja
インディーズ・メーカー 2010-04-15 |