この日は鰻谷 燦粋で行われたI Am Robot and Proudのレコ発イベントに行ってきました。
オープニングのWATCHMANは、DRUMANDARAやIONSでは観ていましたが、ソロで観るのは初めてでした。ラップトップで制御した電子音と映像に乗せて生ドラムスを叩くスタイルですが、ポップなメロディがとても心地良く、ヴィンテージ感のあるアニメーションとの相乗効果でどことなく温かな雰囲気も。しかしドラミングは変幻自在のリズムと息を飲む手数の多さでタイトかつスリリングな演奏を終止キープ。
PARAのカバーを挟んで後半に向けてどんどんテンションを上げていき、ラストは怒濤の高速スネアロールで終了。23日のNOONでのイベント出演を最後に北海道へ生活拠点を移すらしいですが、その前に観ることが出来て良かったです。
続いてのウリチパン郡は、在日ファンクの時と同じ演目(テルマ→アトランティス→パヤパヤ→ファン菌→新曲→Limited Leaf→新曲→ゼノン)でしたが、バンドのグルーヴ感はこの日の方が上だったように思いました。キーボードもギターも音の一つ一つが絶妙に絡み合い、太く芯の通ったドラムサウンドの上で鮮やかに跳ねるような躍動感。いやほんと、すごくいいライブバンドになりましたね。
そしてトリのI Am Robot and Proud。冒頭、ショウハン・リーム一人による、ラップトップとキーボード、TENORI-ONでの繊細な演奏(1曲目では、TENORI-ONをお客さんに向けて触らせ、偶発的に生まれたメロディをベースに音を重ねて演奏に入っていました。TENORI-ON、一度触ると余計に欲しくなりますね……)でスタート。
2曲終えるとバンドが入り、ここからはTENORI-ON無しのハードな演奏へ。MacBookの奏でる電子音のループをベースにしながらも、キーボードが紡ぎ出すリリカルなメロディが楽曲の印象を温かく優しいものにしています。それはそのままショウハン本人のナイーブな風貌の生き写しのよう。
ラストはTENORI-ONを使ったソロに戻り、アンビエントな美しいナンバーで締めくくり、アンコールでは同じくソロで、エッジの立ったリズムが柔らかなメロディとコントラストを生み出すナンバーで心地良い高揚感を残しながら終了。
いわゆるエレクトロニカの持つ無機質さやツマミをいじくるエンジニア的なパフォーマンスではない、生でメロディを奏で、バンドとともにグルーヴを生み出すスタイルは、表層的な結果としての「音」にとどまらない、その周囲に漂うエモーションこそが本質であるかのようなオーガニックな響きを伴っていて、ショウハンの感受性の高さ、そしてそれを具現化するセンスとテクニックを思い知らされました。ラストナンバーでMC終わりにマイクのケーブルを抜いてしまったときの気弱な学生のようなナイーブな表情が忘れられません。
UPHILL CITY REMIXES & COLLABORATIONS | |
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アイ・アム・ロボット・アンド・プラウド
AND RECORDS 2010-03-17 |