Medeski, Martin & Wood at JANUS (Osaka)

この日はMusic Club JANUSにMedeski, Martin & Woodを観に行きました。

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会場は4月にオープンしたばかりのジャズのライブハウス。アダルトな雰囲気漂うオシャレなハコです。ビルの5階にあるんですが、このハコ以外は何も入っていない殺風景な感じにちょっと引きましたが。

DJの演奏を聴きながら待つこと数十分。開演より約30分押しでメンバーの登場。6年振りに観る3人でしたが、つい昨日のことのように思えるから不思議です。マザーホールで井上薫や山塚EYEをDJに迎え、スイングジャーナル読んで観にきたと思しき老夫婦をドン引きさせてたのは一体何年前だ……。

元々アルバムで殆どチェックせずにライブを観ているバンドですので、この日も全く曲を知らないまま。なので、そんな感じのレポートになります。

演奏はウェザーリポートを思わせる軽快なリズムのナンバーでスタート。途中、マーティンはテーブルの上に並べられたパーカッションや鐘の皿や小鍋などを打ち鳴らしたりしつつ、バンドは徐々にフリー・インプロヴィゼーションへ。

やがてメデスキがオルガンからアップライトピアノへ移動し、そこからピアノソロへ。その間に、ウッドがアップライトベースからエレキベースへ持ち替えます。

ソロが終わると、歪みのかかったベースがスライドバーを使ってキャッチーなフレーズを奏でると、やや演奏の熱量が上がり、冒頭から盛り上がっていたフロアはより一層活性を上げていきます。

そこから間髪入れずにファンキーなナンバーへ。マーティンのストレートでダイナミックなフレーズが演奏をじわじわヒートアップさせます。1stセットのハイライトでした。

そこからスローテンポに展開しながら、ようやくこの日最初のブレイク。既に30分以上経過していました。

続いての、オルガンのリフにジャズ歌謡風のピアニカのメロディがキャッチーなナンバーでフロアを存分に乗せ、フランク・ザッパ風のジャズ・ロックではウッドがアグレッシブなソロも披露し存分に盛り上がったところで1stステージは終了。

2ndステージは8ビートの小気味良いナンバーでスタート。初っ端からノリノリです。

途中、メデスキとウッドがカウベルを鳴らし、マーティンのドラムスのバッキングをするなど、遊び心も交えつつ。

曲の終わろうとするところから、メデスキのディストーションのかかったピアニカソロ。マーティンがソロを吹くメデスキから、先ほどのカウベルを回収するところ(メデスキがピアニカ吹きながらカウベル探して手渡すところ)が微笑ましかったです。

ピアニカがリフを刻み始めたところでドラムスが入り、ベースソロへ。

そのままリフをベースが受け継いで、メデスキのソロへ移りながら進行するグルーヴィなナンバーが終わると、ベースの8ビートが痛快なブルースチューン。後半で、ドラムスとベースが4小節毎にソロをリレーするジャズの王道パターンが出ると、フロアはこの日最高の盛り上がりへ。

一息ついて、ウッドがアップライトに持ち替えてムーディなソロを弾き、ゆったりとしたナンバー。メデスキもメロトロン風のパッド音を出す以外はほぼアップライトピアノに徹していたので、アコースティックなジャズトリオの演奏になっていました。後半の、じわりと熱くなるドラムスが良かったですね。

シンプルなテーマを繰り返しながら常温でグルーヴを紡ぐ6/8拍子の曲を挟み、ラストは、荘厳なオルガンのイントロから、スケール感のある壮大なロックチューンで終了。途中のキーボードソロは、ワウペダルをかましたギターの如し。格好良い。

大歓声で迎えられたアンコールでは、今日の余韻に浸るような、叙情的な「Hey Joe」をプレイし、二時間半に及ぶこの日の演奏は終了しました。

バンドアンサンブルのタイトさは言うまでもないですが、その中でもお互いに空気を読みながら演奏を転がしていく緊張感は正にジャム・バンド。近年、ジャズ・ミュージシャンに限らず、ロックバンドでもステージ上に譜面台を置くことも多い中、完全に譜面無しで血肉化した演奏を繰り出す肉体性が、曲ごとに演奏スタイルを千変万化しながらも、どっしりと粘りのあるグルーヴを終始キープし続けることの出来る秘訣でしょう。

正に「オーガニック・グルーヴ」を存分に堪能できた夜でした。

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