この日はNamba BEARSにサンヘドリンを観に行きました。
灰野敬二、ナスノミツル、吉田達也という名前だけで壮絶なトリオですが、演奏はやはりさらに壮絶。
フレーズが無限に湧き出る永久機関ドラムに、一音たりとも無駄にしない、完璧なベースプレイ、そして、音の臨界点と静寂を、間をギリギリまで取っ払って鳴らすギター、そして鳴り止まないフィードバックノイズ……。
変幻自在に転調しながら無酸素運動のように高密度で毎秒生まれ続ける曲、歌、音。
探り合って音を出すような生易しいものではない、ゴングが鳴った瞬間からフルコンタクトで殴り合うかのような緊張感は、ピークに達した瞬間に思わず笑いすらこみ上げてくる興奮に包まれ、一寸間を置いた灰野氏が、絶妙なタイミングでエフェクターをバキッと踏み込み、「キィーン」と一音高らかにならした瞬間、感動のあまり、目頭が熱くなりました。
前半1時間、後半1時間の2ステージ、加えて10分ほどのアンコールという構成でしたが、前半のフルートも交えた巧みな構成と、後半のノイズに溢れた目眩がするほどの爆音セット、という見事なコントラストが出来上がっていたように思います。どこまで計算されていたのか全く分からず、しかし、そんな詮索が無意味であることは間違いなく、この瞬間、ここでしか生まれ得ない、この日のための「うた」でした。
帰りに、このツアー向けのCDを購入。本当にここでしか売ってなかったのか、ネットで調べても情報が全く見つかりません。サンヘドリンとは、どうやらそういう、束の間の逢瀬と言う、存在のようです。
U.F.O.CLUB TOKYO JAPAN VOL.4 | |
オムニバス
CAPTAIN TRIP RECORDS キャプテン・トリップ・レコーズ 2008-05-20 |