この日は京都府立文化芸術会館にラーメンズ 第17回公演「TOWER」を観に行きました。
「ALICE」から4年、「TEXT」から2年と、 すっかり2年置のペースが定着してきた感のあるラーメンズ本公演。やはりソロプロジェクトの質の違いを見事に思い知らされる傑作に仕上がっていました。
ここ最近、小林賢太郎の作品につきまとって離れない、やや鼻につく「あざとさ」。「TEXT」でも垣間見られたんですが、本作ではそれがほとんど気にならず(小林のパントマイム的な身のこなしが若干気にはなりましたが)、そういった仕掛けやトリックが笑いのエッセンスとしてしっかり溶け込んでおり、緊張感と高い完成度をキープしながら、どれもが「笑い」に向かってまっすぐエネルギーを発している、という、理想的な「ラーメンズの舞台」に仕上がっていました。
知的好奇心をくすぐりながらもひたすら馬鹿馬鹿しく、感心させられそうになるも、実にふざけた内容に笑わずにはいられない。そして、腹を抱えて笑える悶絶コントに毎度出逢うことができる(この日も、「ハイウエスト」の一言に、酸欠状態で意識が遠のきそうになるほど笑わされました)……。そう、これぞラーメンズでしょう。
やはりこのコンビ、これからもまだまだすごいコントを生み出してくれそうです。
あと、来場者向けに配られる、豪華な印刷が施されたチラシと挨拶文には、いつもうならされます。それは、チラシのクオリティの高さももちろんですが、プロモーションとしていっさい配られない、言わば「来場者を喜ばすためだけ」のものに、これだけ力を入れている、ということに、彼ら(特に小林)が「舞台に生きる」ことにこだわり続け、だからこそお客さんに対するもてなしにも手を抜かない、という姿勢に、何より感動を覚えます。
ラーメンズ第16回公演『TEXT』(Blu-ray) | |
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