今日はHEP HALLに、プロペラ犬旗揚げ公演「マイルドにしぬ」を観に行きました。
プロペラ犬は、水野美紀と放送作家の楠野一郎によるユニット。この二人に、役者、演出家を招いて行われた今回の公演、役者に河原雅彦、演出家に入江雅人という豪華な布陣で、脇はがっちりと固めました、という印象。
水野美紀の演技力はと言えば、「ひーはー」で観た時も、下手ではないものの、舞台で声を出し慣れていないからか、根っからの舞台俳優でないからか、上ずり気味の喋り方が若干気になっていましたが、出だしのコントから予感は的中。やはり声の不安定さのために、笑うべきところも観客を驚かせるところもレベルメーターが振り切らず、明らかに河原雅彦の足を引っ張っていました。
これは最後まで観るの辛いな……と思っていたのも束の間。中盤から突然役柄がハマり始め、今までの微妙な空気が一変、ボケが冴え渡ります。爆笑に次ぐ爆笑。前半、ルックスの良さとスタイルの綺麗過ぎさが足を引っ張っていた印象でしたが、ここにきてそれが逆に面白くなってゆき、河原雅彦のツッコミも、ボケの強力さによって、いよいよ冴えてきます。
ラストは意外な……というか荒唐無稽な展開に唖然とさせられますが、前半からの伏線が上手く活かされ、見事に感動的なエンディングになっていました。
自身の演劇ユニットを持つことで、水を得た魚のごとくやりたい放題。「吹っ切れた」というより、きっとこちらが本性なんでしょうね。
美人コメディエンヌに進化を遂げた水野美紀が今後、舞台で一体どんな活躍をしてくれるのか、来年の第二回公演共々、楽しみです。
↓「チ○ポコ」「ゾンビ」の10年前。
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山岸 伸
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