この日はHEP HALLに、プロペラ犬第二回公演「ジャージマン」を観に行きました。
昨年の公演は、第一回と言うこともあり、硬さが(演じる側も観る側も)ありましたが、とても楽しい舞台で、今年は「間違いない」という安心感や「今年はどんな馬鹿キャラが……」という期待感から、かなりワクワクしながら会場入り。
物販では、大きめの缶に入ったパンフが売っていたのでそれを購入。中にはステッカーやら生写真やらが入っていて、贅沢なんだか無駄なんだかよく分からない仕様です。
会場内は、やや空調が強くて肌寒い感じでしたが、幕が上がると、すっかり引き込まれ、全く気になりませんでした。
今年は演者がひとり増えた分、芝居に厚みが出来た感じがしました。二人芝居だと、舞台の転換が忙し過ぎる、という理由があってのことだそうですが、水野さんの「どれだけ馬鹿やっても抜け切らない上品さ」からすると、三人は必要だったのかも知れません。
今年も去年同様、ややブラックで荒唐無稽な馬鹿話と、水野さんの暴走具合を中心に、ゲストの役者さんとの絡みが見所。
バナナマンの設楽統氏は、熱烈にアプローチして共演にこぎ着けただけあって、初舞台とは思えない活躍ぶり。あまりTVを観ない人だったら、根っからの舞台役者と勘違いしたんじゃないでしょうか。
玉置孝匡氏は、この日の舞台では、言わば「主役」。でも、肩身の狭い感じ……という役所が見事にはまっていて、普段の生活や話の前後の様子が見えてくるようなリアルさがありました。
水野さんは、去年の「ゲストのツッコミに乗っかってボケまくる」という部分と、二人に放ったらかされたり、二人にツッコミを入れたりと、リニューアルされた環境をたっぷりと楽しみ切っているようでした。
容姿端麗、キレのあるダンス、派手な格闘シーン……と、女優キャリアで培った技術や才能を「笑わせるため」に使う滑稽さは正に小劇場。去年を上回る自由奔放さと遊び加減に、彼女の「本気」を感じました。
これはもう、パンフに書いてあった通り、10年、20年と続けてほしい。そう思わずにはいられない、彼女の魅力を最高に堪能できる舞台でした。
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水野 美紀
創英社 2008-11 |