この日は「からっぽの湖」の帰りにUrBANGUILDに寄って、MIYAとくもを観てきました。
くもは、管打団を小編成にした上で、森本アリ氏特有のおもちゃ箱をひっくり返したような遊び心をふんだんにトッピングして、メンバーがテーブルを囲みながら(小さな子供も巻き込みながら)繰り広げられる、ジャズでもブラスバンドでもない、ユルくて愉しい「テーブル・トイ・ミュージック」。管打団もそうですが、「かわいらしさ」や「あそび」、ユルさや和やかなムードが、どれも「音楽の楽しさ」に消化させられているところが本当に素晴らしいです。正に「音楽」。
MIYAは、新作でのリズム隊を引き連れてのトリオ編成。このリズム隊の二人が、とにかく圧巻。MIYA氏の書く、どこか謎めいた、不可思議で浮遊するようなアブストラクトな曲の中で、終始ソロを弾いているかのように「唄う」水谷浩章氏のベース、そしてあの独特のスティックさばきと鋭い眼光で、緩急自在のリズムの波が湯水のごとく溢れ返す、圧倒し、翻弄する外山明氏のドラム。このリズム・セクションだけで3時間でも4時間でも観ていられそうなぐらいの、無尽蔵のリズム・バリエーションに、時の経つのも忘れてしまうほどでした。
2ステージの構成で、2ステージ目の後半からアンコールまでは、くもとの共演。この編成用のアレンジでのお互いのオリジナル曲やフリー・インプロビゼ-ションは、くものユルさとMIYAトリオのテンションが斑に混ざった極彩色のセッション。外山氏もFBIで観られたような遊び心をふんだんに発揮し、おもちゃの楽器をいじくり回して変な音出したり、池田安友子氏とのリズム・セッションに興じたりと、実に楽しそうでした。
トリオでのステージももちろん素晴らしかったですが、この日のUrBANGUILDが楽しかったのは、やはり、くもの存在が大きかったですね。森本アリ氏の祝祭を生み出す手腕に脱帽。
Miya’s Book; Music For Seven Days | |
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miya 水谷浩章 外山明
Studio Wee 2007-11-25 |