スキマ産業vol.27 〜「日比谷カタンとキツネの嫁入りと2マン。」編〜 at UrBANGUILD (Kyoto)

この日はUrBANGUILDで行われた「スキマ産業vol.27 〜「日比谷カタンとキツネの嫁入りと2マン。」編〜」に行ってきました。

sukima.jpg

キツネの嫁入りを観るのは昨年の「Meeting Point Vol.6」以来。その間にギューンよりアルバムがリリース、そしてベーシストが加入、と重要なステップを経ての今回のロングセットでのライブでした。

1時間強、13曲、初めて聴く曲も沢山盛り込まれたパフォーマンスは見事に彼らの唯一無二の個性を描き上げ、現状考えうる理想的な「完成された」ステージになったように思います。

曲と曲の間の“間”、音の隙間に流れる静謐、青白い炎のように冷静に、しかし熱く燃えるアンサンブルの響き。

UrBANGUILDの醸し出すムードも演奏の尺も、全てがプラスに働いていました。

対バンの多いイベントだと、どうしても30分や40分という短い時間の中で圧縮された演奏をせざるを得なくなりますが、やはりそれなりの尺が無いと、そのバンドの世界観は伝わり切らないし、観てる方も、好きなバンドであればあるほど、満足感が得られないよなぁ、と改めて思いました。でもその場でなしをさんにそんなことを言ったら、「対バンのイベントって、“もっと観たい”と思って次のライブに来てもらう、っていうもんですから」というもっともな話をされてしまいましたが。それは分かってるんですけどね……。

初見だった日比谷カタンは、サブカルと誇大妄想と中二が混ざったような歌詞と、メンヘル女子からデス声、TUBEの前田まで使い分ける千変万化の声色、激しいピッキングで変拍子、転調、速弾きフレーズを淀みなく繰り出すテクニックが渾然一体となった音世界と、終始笑わせにかかる小ネタ満載のMCが唖然としてしまうほどのコントラストを生み出す、いい意味でも悪い意味でも強烈なステージでした。

「悪い意味」というのは、不快に思われるようなところにも容赦なく踏み込むその明け透けさであり、それは氏の大きな魅力でもあり、観るものに正面突破で歌の世界をぶつけてくるエネルギーの質感は、方向性はまるで違いますが、以前観た灰野敬二のソロに近いものを感じました。
面白かったのは面白かったんですが、MCだけ世界観が分離しているスタイルはあんまり良いとは思えず、悪く言えば「笑いで誤摩化している」ような気もするので、徹底して歌に徹するか、ザッパ的に歌の世界とユーモアを融合してしまった方が、より面白くなるようにも思いました。変拍子に多声ボーカル(疑似ですが)、ポピュラーミュージックのパロディって、ちょっとザッパっぽいですしね。

当日の様子を収録したUstreamのアーカイブ

<セットリスト>
忘却
世界の逆
群れをなす
カラマワリ
白黒
結局、そう
雨の歌
東西南北
家探し
エール
夜あるくもの
ヤキナオシクリカエシ
最後の朝焼け
「キツネの嫁入りに属するマドナシによるブログ」より転載)

いつも通りの世界の終り。
いつも通りの世界の終り。 キツネの嫁入り
インディーズ・メーカー 2009-11-25
売り上げランキング : 386324

おすすめ平均 star
star不思議

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください