FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012 at 幕張メッセ (Chiba)

この日は幕張メッセで行われた「FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012」に行ってきました。

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無料イベントとしてはどう考えてもあり得ない凄まじいボリュームで、同時進行する全ステージを追うのが不可能なのはもちろん、スタートからラストまで欲張って詰め込みすぎても体が最後までついて来なさそうなほどの密度・濃度だったので、とりあえずあれこれ見逃しても気にしない程度の心構えで、開演より1時間ほど遅れて会場へ。

入場してまずは募金箱を持ったスタッフがお出迎え。まだどれぐらい入れるか考えてなかったので、一旦スルー。

中へ入り、一通りステージを見て回り、やくしまるえつこが遠隔パフォーマンスをしている様子や夏目漱石の脳味噌(実物かと思うと、結構グロかったです)などを見てから、BROADJ ALTERNATIVEで少しChim↑Pomを観ていましたが、期待してたよりも普通のDJっぽかったので間もなく離脱。

その後、MAKUHARI BUDOKANに行くとステージ上で何らかの小芝居が始まっており、これがタコのライブのイントロとなっていました。

タコは音楽的にも演奏のジャンクな感じも、こんな大舞台ではなくベアーズあたりがしっくりくる感じのオルタナ・パンクでしたが、逆にこの広いステージと沢山のお客さんの前で演奏している姿が痛快だったりもしました。

後半で佐藤薫がゲストとして登場しましたが、さらにその後JOJO広重が現れると、悪役レスラーの乱入ばりにメンバーに突撃し、譜面台を蹴り倒し、ギターをかきむしりながら大絶叫して会場は大盛り上がり。この後の非常階段がますます楽しみに。

TALKING DOMEに移動し、いとうせいこうと奥泉光の話を聞いていたら非常に面白く、結構トーク系のプログラムがこの後もかなり面白そうだったので、おそらくこのままだと一晩中ここにいてしまいそうだな……という不安から、後ろ髪を引かれる思いでMAKUHARI BUDOKANへ。

Tokyo BOREDOM以来の非常階段は小堺文雄の代わりにナスカ・カーの中屋浩市が参加しての編成。JOJOはタコの時を上回るハイテンションで、タコの時も弾いていた黒のストラトキャスターを大きな木の板を叩きつけて破壊し、フロアもダイブが出るほどにヒートアップ。

音響的には、高すぎる天井と広すぎるフロアのためか、美川・中屋のノイズがやや控えめに響き、その分、岡野太のドラムスがかなり強調されていました。

EXTREAM ZEROに移動し、ケバいほどにアッパーでイケイケなTOWA TEIのDJを堪能した後は、LOGIC SYSTEMのライブ。巨大なモーグのアナログシンセを導入してのパフォーマンスというだけでテンションが上がりましたが、時折聞こえてくる初期YMOそのもの過ぎる音に、NO NUKES 2012でのYMOを思い出しながら興奮していました。

そこに飛び出した、オリジナルそのものの音で鳴り響く「SIMOON」。果たしてこれは、カバーと言うのでしょうか。何とも不思議な気持ちになりました。

そして続いて登場したのはMERZBOW。久々に観ましたが、いつも肩からぶら下げているノイズ発生機に円盤形のボディがつけられ、ますます「子供がガラクタで作ったギター」っぽくなっていましたが、サウンド的にもこの日だけの傾向なのか、時折四つ打ちリズムが聴こえてきたのが印象的でした。

この日はこの後大友良英もDJをし、さながら「ノイズミュージックフェスティバル」状態になっていましたが、音圧ではMERZBOWが圧倒的に最強でした。全身をふるわす容赦ない轟音は、耳栓をしていても卒倒しそうなほど。

この後、ALTZ、BROADJ ALTERNATIVEでのL?K?OのDJで踊った後、不失者へ。不失者として観るのは初めてでしたが、灰野敬二はやはり灰野敬二以外の何ものでもなく、自身を極限まで追い詰めたかのような激しいボーカルとギターは限りなく熱く、シビアで、力強い音を全身を使って鳴らしていました。ロックのフォーマットでありながら、クリシェに背き、極めてアブストラクトで挑戦的な音を、唯一無二の個性で生み出しているそのステージもさることながら、その姿をモノクロームにしたりノイジーなエフェクトをかけながらリアルタイムに流していた映像が、その世界観をしっかりと捉えていて素晴らしかったです。

BROADJ ALTERNATIVEに移動し、SIMI LABを観ましたが、音響が悪過ぎて何をやっているのか全く分からなかった(EXTREAM ZEROとこのステージは地べたにセットを組んでいたので、最前列近くまでいかないと演奏者の姿は一切見えませんでした)ので、そのまま通過してTALKING DOMEへ。プロジェクトFUKUSHIMAの終わり際で、遠藤ミチロウが「Knockin’ on heaven’s door」を歌っていました。その後、タワーレコード社長と宇川直宏による「タワレコドミューン」の発表がありましたが、関西人的にはあまり面白みのない話でした。

小室哲哉をチラっと観て(ダンスミュージックとしての音の強度はさすがという感じで、リズムトラックだけでフロアを一気に掌握していました)からBROADJ ALTERNATIVEに戻り、川辺ヒロシのDJに続いて大友良英のターンテーブルを使ったノイズパフォーマンス。アナログレコードとシンバルを擦り付けたり叩いたり、ターンテーブルを揺すったりひっくり返したりしながらノイズを出していましたが、40分と長いセットだったからか、途中から冗長な感じがしてしまいました。

TALKING DOMEに行くと、スナック芸術丸でカラオケビデオやエロ蝋人形の話など。カラオケビデオに監督や出演者のクレジットは一切出ないのにロケ地だけは出る謎という話、精巧にできた性器の写真に爆笑。

続いてのJAZZDOMMUNEをしばらく観て(関西人的には大谷能生の扇子が、梅田駅にあった巨大将棋盤の問題を解いて応募したら当たったものだった、という話がツボでした)、MAKUHARI BUDOKANの七尾旅人へ。途中から観ましたが、即興要素の強かったNO NUKESのライブよりも歌中心のパフォーマンスという印象。最後はこの日DJとしても出演していたやけのはらも参加しての「Rollin’ Rollin」でしたが、僕が一切思い入れがないのに反して、世間的にはやはり圧倒的に支持されているらしく、始まった途端座っていたお客さんも立ち上がり、熱狂的に盛り上がっていました。

BROADJ ALTERNATIVEでの幻の名盤解放同盟が、音が悪かったりミックスがめちゃくちゃだったりで聴いてられなかったので、EXTREAM ZEROでのHEIKO LAUXに移動し、踊りつつ休みつつ。

そしてMAKUHARI BUDOKANで、この日の最大のお目当て・Manuel Gottsching。以前METAMORPHOSEで観た時はMANUEL GOTTSCHING & ASHRA名義でASHRAのナンバー中心のパフォーマンスでしたが、この日は正真正銘「E2-E4」30周年アニバーサリーライブ。あの聴き馴染んだフレーズが静かに立ち上り、音源で聴くよりもマッシブで立体的な、いつまでも踊っていられそうなダンスビートが打ち鳴らされます。

じわじわと曲が展開されながら、お客さんの目がステージの上にたたずむギターに集まる頃、おもむろにマニュエルがギターに向かい、手に取ると大きな歓声が。そして、そのあまりに官能的な甘いトーンにより一層の大喝采に。音響的な条件は彼には一切無関係とでも言っているかのような、手に取るように鮮明に響くギターフレーズが幕張のステージを駆け巡り、フロアを陶酔の渦へと飲み込んで行きます。

トランス状態で音の波に揺さぶられながら緩やかに踊っていると、約1時間のパフォーマンスはあっという間に終了。興奮冷めやらぬ歓声に迎えられ、アンコールでソロ曲を2曲演奏(1曲目は「Oasis」でしたが、2曲目はわかりませんでした)。マニュエルの魅力をたっぷりと堪能させてもらいました。

出口手前で待ち構えていたスタッフの募金箱にいくらか入れさせてもらい、帰路へ。往復20時間の18きっぷの旅はなかなかきつかったですが、その苦労が消し飛ぶくらいの充実したイベントでした。

イベントが近づくにつれ、インビテーションに大企業を巻き込んだりしていたところからも、資金繰りにかなり苦労をされたんだろうなということが伺い知れましたが、果たして来年も開催されるのか、されるとすればどんな形態になるのか。きっと宇川氏のことですから、やるとしても、今回のようなあらゆる意味でメーターが振り切ったようなエクストリームな内容でなければやる意味すら感じないでしょうから、開催されればまたきっととんでもない内容のものになるんでしょうから、そちらの方向で期待したいところです。

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