サボテニング at HEP HALL (Osaka)

この日はHEP HALLに、プロペラ犬第三回公演「サボテニング」を観に行きました。

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前回に引き続き、今回もひとつのストーリーをオムニバス的に見せながら進行するコメディ。

一回目はホラー、二回目がアクション、そして今回はヒューマンドラマ。妻がサボテンになってしまう、というあり得ない話(しかもコメディ)でありながら、そこに描かれた家族の姿に、思わずグッときました。自分にも子供ができたせいもあるかも……。

今回の舞台、すっかり板についた水野美紀のコメディエンヌぶりが実に見事で、どこか無理をしているように見えた一回目や、飛び道具的なキャラを通すことで弾けていた二回目とは明らかに違う、ナチュラルな演技でもしっかり笑わせてくれる芝居がしっかりと確立されていて、思う存分堪能できました。

今回のゲスト両氏も、確かな演技力と役者としての魅力的な個性を遺憾なく発揮しており、水野との相性もバッチリ。

猫背椿は女子高生から大女優まで振り幅の広い様々なキャラクターを小気味良く演じ分け、時間軸の狂ったストーリーの強力なアクセントとして、要所要所でお客さんに話の流れを巧みに伝達する役割も担っていました。

福田転球は、物語の中心に立ち、彼らしい不器用で愛すべき父親を(いつもながら汗だくになって)好演していました。

後半では、転球への無茶振りコーナーもあり、お客さんから募集したキャラクター設定をその場で発表し、即興で演じるという、これまた転球らしさ全開の企画ですが、この回だけだったのか、転球は水野、猫背にも同じことをやるように要求。それぞれ迷い迷い、アドリブで客席に降りて客に絡んだり舞台中を走り回ったりと、台本がない分、本編よりも弾けまくってました。やっぱり、こういうハプニングコーナーがあると観る側にも異質の緊張感が漂うので面白いですね。

ラストは「なんじゃそれ」というようなオチで終了。これまでと比べてストーリーがしっかりしていたので、最後はこれぐらいゆるい方がいいかも知れませんね。

舞台を重ねる毎に成長を見せるプロペラ犬。馬鹿馬鹿しさはそのままに、着実に完成度を高めていくところも非常に面白いわけですが、出来れば、今の「手作り感」と小劇場の「距離感」「スケール感」を損なわないまま、これからも継続していってほしいものです。この日も、オープニングから僕の真横の通路を走り抜けるわ、無茶振りコーナーで僕の隣の女性に抱きつくわ、果ては終演後の物販で直接売り子をするわ(売れ残ると在庫が家に来てしまう、という本当にインディペンデントな商品らしいです。僕は残念ながら開演前にパンフもDVDも買ってしまいましたが……)と、有名人気女優とは思えないハッスルぶり。きっと、そんなこんなが楽しいからこそ続けられるんでしょうね。

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star独特な舞台劇
star水野美紀のコメディ演技が面白い!バナナマン設楽統とPPPP玉置孝匡の競演、かけあいが見もの。演劇とコントの違いについて考えるのも一興。

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