この日は旧グッゲンハイム邸で行われた「塩屋音楽会vol.17 「管がいっぱい!」NEWDAYレコ発!」に行ってきました。
会場に着くと、既にオープニングの藤本優+森本アリのデュオが終わりかけ。残念……。
続いてのぺ・ド・グには、ゲストとして江崎將史が参加。先日東京でのライブの帰りにトランペットを無くした、というトラブルを元に作ったという三曲のオリジナル曲も演奏。
持ち時間も以前観た時よりも長く、全編アカペラでナウシカの曲を歌ったり、細野晴臣ナンバー「日本の人」ではピアノとアコーディオン(トランペットよりも遥かに上手)を加えたりと、芸の幅の広さも見せてくれました。何とペ・ド・グは昨年末にレコーディングしたんだそうですが、リリースできるんでしょうか……。
そして、トリのNEWDAY。今年リリースされたアルバムは素朴で味わい深いメロディが印象的な傑作でしたが、ライブはより激しく、よりユーモラスに、そしてよりセンチメンタルな素晴らしいパフォーマンスでした。
アルバムに入っていない「割れ目」というゆったりとしたナンバーでスタートし、トロンボーンとサックスのソロと、ドカドカ轟くドラムが痛快な「ウコッケイ」へ。マーチングドラムに篠田昌已を彷彿とさせるサックスのテーマから間奏でテンポアップする「不摂生」というナンバーへとMC無しで続きます。
NEWDAYを初めて聴いた時に連想したのはコンポステラだったんですが、メンバーであった中尾勘二の存在が大きいのは言わずもがな、彼が手ほどきをしたと言う橋本剛秀の軽妙ながらも憂いを感じさせるアルトの音色にあるのだと改めて思いました。
「結局忘れる」や「地獄」の後、「持ち時間が長いのでカバー曲を」と、マイルスの「Orbits」をカバー。テーマに続いてサックスとトロンボーンがソロとベースラインを交互に吹くという、NEWDAY流のモダンジャズ解釈でした。
「家族」ではアップテンポなリズムに乗せてハマケンが「かっぞっくっ」と連呼し、橋本氏が「おじいちゃーん、おかぁちゃーん」と家族の呼び名をかぶせる奇妙な掛け合いも。
一曲、橋本氏のソロで演奏されましたが、その胸を締め付けるようなトーンと、甘く切ない響きは実に素晴らしく、一曲だけと言わず、あと数曲聴きたかったところ。
音楽だけでも十分素晴らしいのに、曲中のハマケンお家芸的なマイクパフォーマンスや長いMCが余分だな、と思うところもありましたが、まあそれがあるおかげで無闇にシリアスになったりしないというところもあるし、善し悪しですかね。
「永遠に好きなままかもしれない」「It’s a Newday」で本編終了、アンコールは、その名の通り爽快なスピードで走り抜ける「疾風」。
迷わずブレずにど真ん中を直進するエネルギッシュな中尾氏のドラムも、SAKEROCK以上に伸び伸び生き生きと吹きまくるハマケンのトロンボーンも素晴らしい。しかし何より、橋本氏の歌心溢れるサックスに感動しました。久々に胸が高鳴るようなプレイヤーに出逢ったような気がします。
ポストLIVE!LAUGH!とも言われる三田村管打団?同様、ポストコンポステラとして、今の時代の新しい音を生み出しながら、10年20年と着実に年輪を重ねていって欲しいものです。
It’s a Newday | |
NEWDAY
インディーズ・メーカー 2010-01-06 |
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知り合いに僕のことが書かれている、と聞きこのblogを読ませて頂きました。
非常に嬉しいです。これを読んで自分に自信が持てました。
グッゲンハイム邸でのライブは僕らにとっても現時点での精一杯のライブが出来た、と思っています。
これからも頑張ります。
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コメントありがとうございます。
わざわざ読んでいただいて光栄です。
本当に素晴らしい演奏に感動しました。また関西でライブされるのを楽しみにしております。