川端稔展 at epok(Osaka)

この日はepokに「川端稔展」を観に行きました。

kawabata_1.jpg

氏の作品にはこれまで(CDジャケットも含め)ほとんど触れては来なかったんですが、会場に入った途端、その作品たちの凄まじい力に一気に引き込まれてしまいました。

キャンバスに描いた大きめの作品が壁にいくつもかけてありましたが、どれも濃厚かつ、どれひとつとして同じような描画の手法を使っていないくらいのバリエーションに驚かされます。壁面一面をいっぱいに使った大作には、完全に言葉を失ってしまいます。

さらにすごいのが、膨大な作品を閉じた大量のファイル群。パンパンに膨らむぐらいにファイリングされたラフスケッチを含む原画の山で、直に触っていいものかしらという貴重な作品たちが見放題です。その贅沢さもたまりませんが、この作品たちが試行錯誤や実験を丸ごと敷き詰めたような凄まじい濃度で、あらゆる描画法に取り組みながら、どれもが単なる習作に終わらない作品としての強度と「川端稔」というクリエイターの系譜にあることに疑いを持たせない説得力を有しています。

全ての作品に通じるのは、確実に裏付けされた描画力と偶然性を作品に昇華させるセンス、そしてユーモア。epokの、絨毯に座って絵が眺められるアットホームな雰囲気も相俟って、気軽に、しかも深くアートに触れることのできる空間が出来上がっていたように思います。

そこへ、さらに重要なコンテンツとして加わっているのが、ダンボール箱に山盛りになった氏のカセットテープ音源。わくわく試聴会のサブ試聴機にMTRをつないで再生されていました。この音楽もまた、絵の世界と一体となった表現であることが伝わってきます。

kawabata_2.jpg

家族で行って、1時間半ほどじっくり鑑賞させてもらい、これで入場無料。だからと言ってこのまま帰るのはさすがに抵抗もあったので、何点か作品の複製コピーを買って帰りました。カラーコピーでしたが、驚くほど綺麗なんです。少なくとも、175線のオフセット印刷よりは遥かに綺麗です。

kawabata_3.jpg
今週金曜日までの開催。ぜひ多くの人に観に行って、触れてもらいたい作品展です。

宇宙のホーン
宇宙のホーン 川端稔

bikemondo/tana record 2008-10-10
売り上げランキング : 541337

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください