ははの気まぐれ at 拾得 (Kyoto)

この日は拾得ははの気まぐれを観に行きました。

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拾得は初めてでしたが、テーブルや座敷席の並びがまるっきり飲み屋で、ステージもシンプルで、基本的には機材を並べただけ、という感じ。会場とほぼ同時に入ったんですが、とりあえず、どこで観てもあまり観易そうでは無かったので、最前列のテーブルど真ん中の席へ。結局、後からどんどんお客さんは入ってきて、通路も立ち見客で埋め尽くされ、入り口付近でステージの見えないところまでお客さんが立っていたので、確実に全容が観られたのは多分前方のテーブル数台だけだったんじゃないでしょうか。時間もたっぷり余裕があったので、チキン豆カレーを注文。ルーの辛さが適度にシャープで、かなり美味しかったです。近所にあったら普通に食事しに来たいところですが、電車とバスで1時間ですからね……。

ははきまは去年のレコ発以来、すっかり観そびれていたら、バンドの要・松尾知生が広島の実家に帰り、今回のレコ発以降は、来年までライブの予定が無いとのことで、慌ててチケットを取り、新作を買い、当日に備えました。

新作「ベースボール・サンセット」は、前作に負けず劣らずの名曲揃いで、ワクワクするようなアグレッシブなハード・ブギーから夕暮れ時を思わせる切ないバラードまで、ははきま節全開、彼らの魅力が存分に発揮された素晴らしいアルバムに仕上がっていました。

そしてライブは、スタジオ録音のクオリティを落とすこと無く、さらにライブならではのドライブ感を加味した「バンド力」の漲る強力なパフォーマンスでした。

グイグイとバンドを加速させるドラム、歌心あふれるベース、ファズ・トーンからスライドまでツボを押さえたギター、そして、曲に合わせて硬軟自在に表情を変えるボーカル。さらに、メンバー全員がマイクに向かう、見事なクワイア。

MCでは、そのとぼけた喋りや、「カッコつけ」を笑い、あえて「ロックっぽいこと」を避けようとする等身大のキャラクターが愛らしく、しかし演奏はあくまでもタイトでクレイジー(時にはおちょけたりもしますが)。ステージ上では、殺傷能力抜群のギターリフがガンガン飛び交います。

オリジナルでこれだけ素晴らしい国産ハード・ブギーをコンスタントに生み出すことができて、しかも極上のライブ・アクト。こんなバンド、他になかなかいないんじゃないでしょうか。

新作からのナンバーでスタートし、旧曲、前作の曲を織り交ぜながらの濃密なライブは、お馴染みの「あのこをちょうだい!!」でお客さんの胸の奥にあったかいものを残して終了……と思いきや、そこからラストスパートをかけて「オーライ・オーライ」を激しく熱く、一気に走り抜けるように演奏して、満場のお客さんからの大歓声で終了。

痛快にロックして、ほんわかして、笑って、そしてじんわり来て……もう本当に最高のライブでした。今日会場に来た人全員が幸せになる、と思えるような。

MCによると、次のライブは一年後@拾得になるそうですが、それまでは、そしてその後も、お願いだから解散しないで、ずっと続けてね。こういうバンドが日本の「音楽」を支えてるんだから。

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