友部さんは「音楽のちから ~吉野金次の復帰を願う緊急コンサート」で知るまで聴いたことがなく、その後、何度かCDを手に取ろうとしながらも、バックカタログが多くて手の付けどころが分からず、まともに一曲も知らない状態で実際に生で観てみよう、と会場に足を運んだ次第。
例えば歌もののロックバンドだと、わりと予習していないと入り込めなかったり、歌詞を覚えていないとノれなかったりということがありますが、友部さんの歌は、その歌い方だけで、いつまでも聴いていたくなるような魅力に溢れているし、訥々と話す感じや真っ直ぐに歌う贅肉のなさは、話し上手な人の話にゆったりと耳を傾けるような心地よさ。それでいて、芯の通った力強さは背筋が伸びる思いがするし、ギター一本で弾き語り、というシンプルな構造の中に広がる世界の雄大さはやはりベテランならでは。
アンコールではリクエストタイムとなり、お客さんが次々に曲をリクエスト。勿論僕は全く知らないので、曲名があがる度に友部さんが困った顔をしたり思い出しながら歌って、途中で終わってみたり、という様子を楽しんでいました。
その中で、「ドント・シンク・トゥワイス」という曲のリクエストがあると、友部さんは「それは、いいリクエストですね」とうれしそうに言うと、会場に遊びに来ていた(本当に普通のお客さんとして予約して来ていて、ビール飲んでました。自転車で20分ぐらいで来れる、とか話してました)渕上純子氏に「一緒に歌う?」と声をかけ、急遽デュエットすることに。
思わぬサプライズも付いて、初友部さんは、感無量の一夜となりました。
今度は、CDも買います。
歯車とスモークドサーモン | |
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友部正人
ミディ 2008-03-05 |