NODA・MAP第11回公演「贋作・罪と罰」 at シアターBRAVA! (Osaka)

今日はシアターBRAVA!NODA・MAP第11回公演「贋作・罪と罰」を観に行きました。

シアターBRAVA!は、劇団四季専用の劇場だった「MBS劇場」の時に一度だけ来たことがありますが、改めて見てみると、ロビーも劇場内も、無駄な装飾が無く、それでいて品格もあり、今は無き近鉄劇場のような雰囲気も漂う、好感の持てるハコでした。

会場内は、客席の真ん中に正方形の舞台を組み、その周囲に沢山の色んな種類の椅子が並んでおり、本番の間、役者はその椅子を舞台上に運んだり降ろしたりしながら場面転換し、衣装替えが無い限り、出番の無い間は舞台下の椅子に座って待機し、扉を開けたりノックしたりする際の音効を担当する、というルール。

膨大なセリフ、複雑な役者同士の絡み合い、適度に抑制と暴走を横断するユーモア……細部まで丁寧に織り上げられた演出の網は、気の遠くなるような時間をかけて構築されていることを伺わせますし、舞台上でも凄まじい体力と集中力を注ぎ込んでいるのを感じました。冒頭からラストまで、ただならぬ緊張感と舞台上で繰り広げられる魔法のような出来事の数々に、2階席から前傾姿勢で食い入るように凝視し続けていました(劇場を出た瞬間、少し頭がクラクラするほどに)。

前回「オイル」で観て圧倒された松たか子の芝居は、今回も素晴らしく、ラストシーンでも、涙がこみ上げてきました(結構泣いている人も居てましたね。客席が向かい合わせだったので、そういうのもよく見えた)。

いやぁ、本当に凄い舞台でした。社会性もしっかりと織り込まれた素晴らしい脚本といい、随所にサプライズが詰め込まれた演出といい、それぞれが濃密なキャラクターを見事に演じきった俳優陣といい、もう完璧に打ちのめされました。

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