FESTA de RAMA at 瀬戸田町サンセットビーチ (Hiroshima)

この日は、広島の瀬戸田町サンセットビーチで行なわれたイベント・「FESTA de RAMA」に行ってきました。今年も二日間のうち、二日目のみ参戦。あの暑さに二日間も耐える自信がなかったので。二日目にしたのはソウルフラワーユニオン目当て。

簡単な観光ガイド付き(運転手さんの広島弁で)のシャトルバスに揺られて、いつものビーチへ。いつもながらの風景、と思って会場に着くと、会場入り口には立派なアーケードが出来ていて、リストバンドは水着のお姉さんが付けてくれるというサービス付き。アーケードに入ると、タバコメーカーのキャンギャルが団扇や試供品を配っていて、会場に出れば、立派なタバコメーカーのブースに、ステージや会場に大量に貼られた同メーカーのロゴマーク。今までの企業色の薄いRAMAを想像していたので意表をつかれましたが、嫌煙家として心配していた喫煙マナーもそれほど悪くなく、喫煙者が大量に増えた、というようなことにもなっていなかったので良かったんですが、ステージのセッティング中に、宣伝のナレーションが入るのは、「立派なフェス」な感じで、ちょっと寂しい思いも。

この日も去年同様、猛烈な暑さ。RAMAのスタッフには晴れ男が多いようですね。

この日、最初にステージに登場したのは二階堂和美。にかスープさやソースとして出演したFBIを除けば、感動しきりだった去年のワンマン以来ですが、やっぱりこの人は天才です。声の持つ説得力が桁違いで、歌いだした途端、すっと引き込まれてしまいました。「S.O.S」「夏のお嬢さん」(あと「今日を問う」に挿入された「渚のシンドバッド」)といったサービス精神旺盛なカバーも楽しいうえに、オリジナリティ溢れるアレンジも見事。この日のベスト・アクト。もっと観たかったなぁ。

続いてのらぞくは、食事したり浜辺をうろついたりしながらだらだらと。二階堂和美が良過ぎたせいもあったと思いますが、あの祭りの空間で、ハードに行くのかまったりさせるのかトランシーに行くのかはっきりせずに、マイペースで演られると、ちと辛い。

Rickie Gは、オーソドックスなレゲエ。歌も上手いし演奏も手練れてるけど、あんまりオリジナリティが感じられず、ふぅん、という感じ。まあ、RAMAの雰囲気には合ってましたね。ステージ上の演奏よりも、僕らの前の方でスカートの裾をつかんで優雅に踊ってる女性を、横でうちの相方がずっと馬鹿にしてたのが面白かった。

RAMAのステージ上の気温が最も上昇する時間に、勝手にしやがれの登場。ジャズをベースにしたスカコアみたいな感じでしたが、なかなか格好良かったです。RAMAに合ってるかと言うと微妙でしたが。

RAMAにしては珍しいテクノユニット・RYUKYUDISKOは、Connect’05以来でしたが、RAMAで聴くと流石に楽しい。仲村奈月(琉球とのコンビはこれで最後だったとか。うーん、そうかぁ……)も素晴らしかったです。

THE ZOOT 16は、この後ソウルフラワ-があるから休もう、と思い、ロコモコやまぜそば(めちゃめちゃ美味かった。久々にフェスめし美味いと思った)食べてゆっくり休もう、と椅子に腰掛けてましたが、しきりに鳴り響くダブ・サイレンとディレイで飛ばしまくるバックビートに誘われ、結局踊ってしまいました。

そして、陽の落ち始める絶好のタイミングに登場したソウルフラワ-は、「祭りが足りへんなぁ、もっと遊ぼうぜ」と、ライブ常連の曲から「松葉杖の男」「バンクローバー」「うたは自由をめざす」「ラヴィエベル」「満月の夕」「荒れ地にて」「風の市」「海ゆかば」と、全曲ピークタイム状態で、終始大合唱。やっぱりビーチで聴く「海ゆかば」は最高。

途中、中川氏のギターがトラブって音が出なかったり、音のバランスも悪く、キーボードの音が小さかったりと、ベスト・パフォーマンスとは言えませんでしたが、いつもより余計に動きまくる中川氏、風船飛ばしたりシャボン玉飛ばしたりと、お祭りムードに華を添えていた美保ちゃん、そして、祭りを大いに盛り上げたお客さんたち。広島では殆どライブをやっていないユニオンなので、待ちに待った広島のファンも多かったことだと思います。こういう凄い盛り上がりを目の当たりにすると、アコパルだけでなく、ユニオンとしても全国津々浦々回ってほしいなぁと思ってしまいますが、難しいんでしょうかねぇ。

陽が沈み、いよいよ大トリ、THA BLUE HERBの登場。例年のお祭りムードではなく、シリアスなヒップホップで締める、というのも、RAMAスタッフがこの二人のパフォーマンスに全般の信頼を寄せていたからでしょう。

果たして、孤高の1MC1DJはヘヴィなトラックとソリッドなリリックで真剣勝負を繰り広げ、見事オーディエンスを打ちのめしてくれました。ILL-BOSSTINOの、真っ正面からストレートに語りかけてくるようなタイトな言葉は、言葉の意味さえ飛び越えて、震えるような、痺れるような、感動というにはドライで、興奮というにはクール。鋭い刃がするりと胸を刺すようなシャープなテクスチャが、夜の海辺を蒼く染めていました。

今年も、独特のユルさと陽気さでいっぱいでした。集客がどうかな、という感じだったのと、商業的な側面が強かった反面、ビーチボールや子供用のプール、夜のキャンドルといった「無駄だけどお祭りムードたっぷりなもの」が少しづつ無くなっているような印象があったのが少し残念だったかな。

でも、他のメジャーなフェスと違い、ひとクセもふたクセもある国内バンドをブッキングするRAMAスタッフのセンスにはまだまだ期待できそうなので、ぜひ来年も、楽しいお祭り作ってほしいですね。

今年も日焼け痕が痛い……。

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