2015年面白かったものベスト10(順不同)

“いい試聴機”で聴こう! HOPKEN試聴会 Vol.11「特集 稲田誠」
これは今振り返ってもほんと凄い内容だったと思います。凄過ぎて、時代がまだまだついてきていない感じがするぐらい。未だにご年配の富豪向けオーディオショウか若者向けヘッドフォンショウ(ヘッドフォンはあと数年のうちに一気に廃れると思います。難聴の問題が更に顕著になって)ばかりの中、コンテンツファーストでここまでの音聴かせられるのはHOPKEN試聴会ぐらいなもんだと思いますよ。

バッハアカデミー関西「第42回 教会暦によるカンタータシリーズ」 at 島之内教会 (Osaka)
これ以降、教会カンタータの聴こえ方が完全に変わって、全曲集まで買ってしまいました。やっぱり生演奏に触れるのはとても大事ですね。指揮者の方の解説聞きながら各奏者が何してるか見て聴いてると、一気に理解が深まります。

京都フィルハーモニー室内合奏団 第200回定期公演 「古都の室内オーケストラ、ここにあり」 at 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ (Kyoto)
現代音楽って正に「現代」の音楽だということを改めて思い知らされました。そもそも現代音楽ってわけ分かんないイメージ強いと思うけど、実は先の教会カンタータの方が、クラシック聴かない人にとっちゃよりわけ分かんないし、初演の曲は聴き手の知識量の差もほぼイーブンになるんだから、クラシック初心者はバッハやモーツァルトより現代音楽の初演聴きに行った方がいいんじゃないかと思うぐらいです。

芸能山城組ケチャまつり at 新宿三井ビルディング55HIROBA (Tokyo)
これからの音楽業界って……的な話はすっかりうんざりしていたけど、山城組のフィロソフィーとパフォーマンスを目の当たりにすることによって完全にどうでもよくなりました。同時にリアルタイムにポピュラー音楽を追うこともどうでも良くなり、過去へと遡る毎日に。結局、今年買った新譜ってceroぐらいしか無かったんですが、正直「My Lost City」が大好きな人で新譜も同じかそれを上回るぐらい好きな人って(本音ベースで言えば)ものすごく少数派だと思うんですけど。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第488回定期演奏会 at フェスティバルホ―ル (Osaka)
これはもう音響が溜息出るほど素晴らしかった。ホ―ル全体の雰囲気も含めて、「体験」ってこういうことだよなぁ、を深く噛み締めました。

オルケスタ・リブレ plays 三文オペラ at 茨木市市民総合センター (Osaka)
リブレはほんと凄いんだけど、いまいちその凄さが聴き手の数とバランスしてなくて歯がゆいです。新しいことをやってるんだけど、古典を通しているので懐古的なものと勘違いして興味もって無い人が沢山いるんじゃないかという気がします。会場で購入した「Plays Duke」のヴァイナルはこの年相当聴きましたが、これだって単なる「エリントンのスタンダード集」っていうジャズ界に吐くほど溢れてそうなテーマに惑わされたら駄目なんですよね。

マーラーとヒトラー
図書館で借りて読んだ後、実際に購入してまた読みました。それぐらい面白かったです。ユダヤ人とクラシック音楽との関わりについて、膨大な情報とドラマティックな筆致によって描写されていて、読み応え十分な上に、読み返したいところも満載。バーンスタインの父が登場するシーンは鳥肌立ちました。

釈迦とイエス
最近仏教系の本を何冊か読んでるのは、図書館で出会ったこの本がきっかけ。これも後で購入して読み直しました。

BILLIE JEAN
12インチ・45回転で音質に拘ってプレスされたこの「ジャンボ・シングル」というシリーズ、1月の試聴会ではスリラーかけましたが、この“BILLIE JEAN”、ほんとにすごい。楽器の音が剥き出しで鳴りまくっていて、聴いてると「マイケルもスタジオでこの音聴いてたんだな」と妄想が広がってきます。ヤフオクでチェックしてるとたまに出品されるので、興味ある方は是非探してみて下さい。

Rolf Junghanns ‎– Original Instruments: Clavichord
2015年で1番聴いたレコード。クラヴィコードは、バッハの時代に家の中で弾くための音の小さい鍵盤楽器。弦をハンマーで叩いて音を鳴らすのがピアノ、弦を爪で引っ掻いて鳴らすのがチェンバロ、でこのクラヴィコードは、弦を「押す」んだっていう。もうこの西欧クラシックの「歪みへの嫌悪感/恐怖」が注ぎ込まれたような構造に狂気を感じた瞬間から魅了されたんですが、前述のとおり音が小さいので演奏会で目にすることが出来ません(日本でもたまに小さな会場で演奏会をしているクラヴィコード奏者がいらっしゃるみたいですが)。なので、レコードを探したんですが、クラヴィコードのレコードってあんまりなくて、これ以外に見つけられませんでした。CDは結構ありそうなんですけど。内容は最高。J.S.バッハの息子たちの曲を独奏してますが、チェンバロをまろやかにしたような音で終始凛とした演奏が続き、心地良い緊張感とリラックスに包まれます。

以上、2015年はそんな感じでした。
2016年も、当ブログをどうぞよろしくお願いします。

今年も「音楽と演劇の年賀状展」に参加させていただきます。葉書にちょっとした仕掛けを施しました。お土産も用意してますので、是非会場で探してみて下さい。今年はHOPKENにて1/9から。
音楽と演劇の年賀状展6_WEB用フライヤー_ヨコ

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