この日は,CONPASSで行われた「“MELT-BANANA・Vampillia” いいにおいのする2マンSHOW!」に行って来ました。
15時にスタートし、17時までには終わるという、最近クラシック演奏会に行く頻度の上がった僕には(そしてライブ後、家に帰って子供と一緒に過ごす時間があるという意味でも)有り難いヘルシーな設定でのイベント。
先攻はVampillia。真っ暗な中、ベースのmicciによるフロアアナウンスで始まり、彼が「ある人物」に似ているか似ていないか、開演前に判断してほしい、という前振りの後、ステージに照明が当たると、ドラムセットに座るmicciと大音量で流れ出すシャ乱Qの曲。シャ乱Qのドラムに似ているというネタのようですが、微妙な似具合のせいか、さしたる反応もなくメンバーがぞろぞろと登場し本編スタート。
すっかりご無沙汰しているうちにメンバー編成もリリース作品数も大幅に更新された同バンド。この日は8人編成でしたが、何となく音が綺麗にまとまったような演奏で、過去に観た混沌としてエグ味のキツいパフォーマンスと比べると物足りなさを感じました。デス声のボーカルが独り、フロアに降りてお客さんと絡んだり、はしごを持ち出してフロア中央で(お客さんに支えてもらいながら)よじ上って歌ったりとアクティブに動き回っていましたが、その辺りの「役割分担が明確になった」感じも、物足りなく感じた原因かも。ドラムスが、本当に竜巻太郎かと思うような覇気のないビートで、他のプレーヤーも技術的には今一歩である、というところが顕在化してしまっているようで、色々残念な感じでした。
対する後攻のMELT-BANANAは約6年ぶりに観ましたが、貫禄の横綱相撲と言ったところでしょうか。素晴らしいライブでした。
YAKOが鮮やかに光るコントローラ(Orbitというコントローラのようです)を片手に特徴的な甲高い声で歌うと、激しいマシンビートとAGATAのギターが暗闇を疾走します。打ち込みながらも肉体性を帯びたリズムの強靭さは生ドラムの不在を意識させません。ギターの音も時折エフェクターによってのものか、マシンエラーのようなフリーキーな音を発し、Orbitによるサウンドコントロールも滑らかに混ざり合って渾然一体となり、生の音と機会演奏の境目が完全に消え去ってしまっていました。
全ての音に圧倒的な必然性を感じ、機械化された肉体は人力の限界を超えて無限のバリエーションを奏で続けるので、決して一本調子のハードコアでは収まらず、次から次へとあらゆる方向からのサウンドアプローチで攻め続け、いつまでも聴き飽きることがありません。
また、時折発せられるシンセ的なエフェクティブなサウンドが、後方スピーカーから聴こえてきたように感じたんですが、もしかしてマルチチャンネルでパフォーマンスしてたんでしょうか。
歌っている時とほぼ同じ声で喋るYAKOのまったりしたMCに和みながらも、強力かつ唯一無二の個性が爆発するMELT-BANANAの演奏に心底感激しつつ、鰻谷を後にしました。
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Melt Banana
Azap 2013-09-29 |