大阪交響楽団 at 長岡京記念文化会館 (Kyoto)

この日は長岡京記念文化会館大阪交響楽団を観に行きました。

大阪交響楽団 at 長岡京記念文化会館

演目は、全てモーツァルト。

歌劇「フィガロの結婚」序曲
モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」
交響曲第35番「ハフナー」第1楽章

〜休憩〜

コンサート・アリア「神よ、あなたにお伝えできれば」
「ディヴェルティメントK.136」第1楽章
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より“恋人よ、さあこの薬で”
交響曲第41番「ジュピター」

〜アンコール〜

交響曲第35番「ハフナー」第3楽章

座席は、前から5列目の上手側(前の4列はほぼ空席でした)。舞台を少し見上げる感じで、管はヴィオラの背中にすっぽり隠れる感じ。来場者の年齢層は結構高めで、若い人は、家族連れでお子さんを連れて来場している人がいる程度。地方公演だと年齢層は高くなる傾向があるようです。

開演前から幾人かの奏者が舞台上で練習を繰り返していて、舞台裏からも楽器の音が。僕の座っている位置からは、裏で歩き回りながら練習を続けるヴァイオリンの姿も見えました。

幕開けは「フィガロの結婚」序曲。華やかで軽やかな曲が、引き締まったアンサンブルで奏でられます。コントラバスが距離的に近くだったからか、低域が強く、どっしりとした印象がありました。

演奏が終わると、モーツァルトに扮した青島広志が登場。曲の合間に現れ、ナビゲーターとして時代背景や楽曲、演奏についてなど話していましたが、声が聴き取りにくい(これは主にPAを使わないどのコンサートホールでも同じですが)上に、合間に挟むジョークが今いちで、せっかくのためになる蘊蓄話が台無し、という感じで最後まで喋り続けていました。

モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」では、ソプラノ歌手の幸田浩子が歌声を披露。聴きもののコロラトゥーラは若干ぎこちなく感じましたが、こんなものなのでしょうか。

前半最後の「ハフナー」は関西フィルでも聴いていましたが、やはり大阪交響楽団の方が良かったように思います。

休憩を挟んで、この日の指揮者・佐藤俊太郎も今回演奏するにあたって知り、勉強したという「神よ、あなたにお伝えできれば」へ。幸田浩子によるハイソプラノがホ―ルの天井を突き抜けるように舞い上がり、客席からは「ブラボー!」の声も。やはりクラシックの声楽は人間の表現力の限界を超えたような凄まじさがあるなぁと感じ入りました。

「ディヴェルティメントK.136」第1楽章は明るく煌びやかなムードが表現されていて、実にいい気分。佐藤氏がモーツァルトを演奏する際に、少年のような気持ちで、小難しくならないように演奏することを心がけていると言っていましたが、まさにモーツァルトのイノセントな魅力、ストレートで純粋な魅力を持つ楽曲の魅力が出ていたように思います。

「ドン・ジョヴァンニ」のアリアが歌われた後、交響曲第41番「ジュピター」へ。青島氏は、この曲はモーツァルトの生前に演奏されることがなかった(予約演奏会を計画し、そのために作曲したもののチケットが売れず演奏会は催されなかった)、と解説していましたが、真相はどうなのやら。いずれにしても、モーツァルトの交響曲の中でも最も評価の高い3大交響曲を含め、その最後の交響曲として中でも最高傑作と謳われるこの曲の魅力が、僕はまだあまりよく理解できず、この日の演奏でも、ただ漫然と音に浸り続けるのみでした。

アンコールでは、前半で1楽章のみ演奏した「ハフナー」の3楽章のみを演奏する、という不思議な締め方でこの日のプログラムは終了。まあでもやはり、モーツァルトは良いですね。演奏も、自分の思うモーツァルトらしさにしっくり馴染む感じで好感触でした。

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