ROVO and System 7 Phoenix Rising Asia Tour 2013 at BIGCAT (Osaka)

この日はBIGCATROVOSystem 7の合同ツアー「ROVO and System 7 Phoenix Rising Asia Tour 2013」を観に行きました。BIGCATに来たのはSAKEROCKを観に来て以来約2年半ぶり、ROVOはSTUDIO PARTITAで観て以来ほぼちょうど2年ぶり。

ROVO and System 7 at BIGCAT

会場に近づくと入口手前から煙の臭い。BIGCATは喫煙所代わりになっているロビーが入口すぐなので、受付する段階で紫煙に喉がやられそうになります。これ、どうにかならないものかしら……。

フロアの入りはかなり寂しい感じでしたが、どうやら事前にタイムテーブルが発表されていたので遅めに来ていた人も多かったようで、最終的にはそれなりに埋まり、かつ、ゆったり踊れる余裕もある(観る方からすれば)理想的な環境になりました。

まずはROVO、System 7それぞれの単独のパフォーマンスがあり、最後に合体しての演奏、という構成で、先発はROVO。懐かしめの曲含めての全3曲50分のセットで、メインイベントに向けての肩慣らしの雰囲気が漂っていました。しかし昔の曲が懐古趣味的にならず、かと言って大幅な変更も無いのに高い鮮度を保っているのは、やはり長年に渡って現在のスタイルを追求し続け、かつ、インターバル短く沢山の作品を生み出してきた積み重ねによるものなのでしょう。それにしても久し振りにROVOを観ましたが、山本精一も勝井佑二も、こんなにハードでフリーキーなプレイしてたかな、というぐらいのアグレッシブさで、特に山本氏のギターから飛び出すエグい音の連発には耳を奪われました。いつもは高い天井に音が回ったり、余分な残響音が気になったり、あまり良いとは思えないBIGCATの音が、この日はバンドのスケール感やトリップ感とマッチしていた上に、音もそれぞれ明瞭に分離して聴こえてきていたことも、その印象に強く作用していたように思えます。

続いてSystem 7。作品も持っておらず(ROVOとの共作も軽く視聴しただけて未購入)、予備知識も一切仕入れていなかったので全くの初見でしたが、まあとにかく、ひたすら楽しかったです。

快楽指数の高いテクノサウンドに重ねられるギターのフィジカルなサウンド。それが添え物でもなく隠し味でもなく、曲の活性を上げるための増進剤のような役目を果たしていて、なるほどこちらも図式的な「テクノ+ギター」というサウンドにとどまらない、年期の深みと強みを感じさせられます。

その痛快なダンス・ビートの加速に更に一役買っているのは、二人の軽やかなステージング。全員真剣な表情で楽器に立ち向かうROVOとは好対照に、二人とも終始笑顔を振りまいて楽しそうに演奏していました。

しばしの休憩を挟み、この日のメインイベントへ。

ROVOの人力トランスにマシンビートがハマるであろうことは、恐らく誰もが想定できたであろうことで、そしてやはりこのコラボからは、全く意外性がない、「1+1が2になった」ような予想通りの音が生み出されていました(それが僕が未だに彼らの新譜を買いそびれている理由の一つでもあるんですが)。しかし、単なる「1+1」と言えども、その「1」がどちらも生半可ではない「1」なので、ただ積み重ねて「2」になるだけでもその多幸感たるや尋常でなく、天に昇るような彼らの音は、更に高度を上げ、更に滞空時間を伸ばしていました。

System 7の笑顔はここでも効果を発揮し、普段は演奏中に笑顔を見せることのないROVOのメンバーもつられて笑ってしまうほど。向かい合わせでギターを弾いてくるスティーブに、山本氏も思わず照れ笑い。

VJは、事前にわざわざ「迫田悠以来、約2年ぶりのVJです」などと煽っていた割には、あまり面白味も新鮮味なく、来年初頭にはヨーロッパをツアーするとMCで言ってましたが、まさかこれで回るんじゃ……と若干不安になるほど。

アンコールの“Hinotori”で、この日の演目は予定時間を30分超過して終了。さすがに疲れましたが、とても満足度の高い一夜でした。BIGCATを宇宙空間に変え、約2時間もの間宇宙遊泳でもしているかのような多幸感に、今後ROVO単独で観た時に物足りなさを感じないかどうか心配なくらいに。

Phoenix Rising LP
Phoenix Rising LP ROVO and SYSTEM 7

wonderground music 2013-09-17
売り上げランキング : 10967

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください