「第四回“いい試聴機”で聴こう!ほ〜ぷ軒わくわく試聴会 特集・DSD音源を真空管アンプで聴く」が終了しました。
過去最低の、お客さんが4人という状況で、開演前に杉本くんと外を眺めながら5分ぐらい呆然としてましたが、まあ始めてみるといつもの調子で喋れて、お客さんとの距離感も近いので直接お話しするような雰囲気で、結果的には僕も楽しかったし、来ていただいたお客さんにも楽しんでいただけたようです。
内橋和久+青葉市子は、CDレベルの音質にしたものとDSDで聴き比べしていただきました。音の広がり、空気の瑞々しさの違いが感じていただけたかな。
オオルタイチの「Futurelina」は、DSDとアナログ盤で聴き比べましたが、どちらの音が良いと感じたかと訊いてみたら、DSDの圧勝。レコードを本来のポテンシャルで鳴らそうと思った時にプレーヤーやはりにかけるべきコストと比べて、DSDは比較的安い投資で「いい音」が体験出来るものだ、ということを示したことにもなったかも知れません。この日のメインシステムは100万のDSD対応DACを使ってましたが、今は5万円台のDACもあります(この日のサブシステムでは、ラトックさんよりお借りしたRAL-DSDHA1を使用していましたが、こちらは店頭価格5万位です。参考展示させてもらったRAL-DSDHA2は8万位)し、DVDにDSDファイルを焼いたディスクを再生出来るプレーヤーともなれば2万円台であったりするわけですから。
非常階段、Merzbowと、およそオーディオとは接点の無い音源もかけましたが、ほぼ普通のフリージャズだった非常階段はいいとして、Merzbowは意外にもノイズの細かなディテールの変化が感じられて面白かったですね。会場では時間の都合もあって1分ぐらいで切り上げて冗談っぽく話してましたが、本心を言えば最後まで通して聴いてみたかったです。
開演前と本編最後にかけたんですが、やっぱりパスカルズのライブ音源は素晴らしいですね。DSD配信のみでリリースされたポピュラーミュージックの音源としては、“最初の名盤”なんじゃないかな、と思いました。
他にも色々かけました。さすがDSD、というものから、別にDSDじゃなくても……というものまで。未だコンテンツ不足の感は否めないんですし、そのコンテンツについても賛否両論色々ありますが、終演後に杉本くんがかけてくれた白い汽笛の新譜(普通のCD)を聴いていたら、すごくいい録音なんだけど、さっきまでDSDばかり聴いていた耳で聴くと、随分縮こまって聴こえたのも正直なところ。やっぱりDSD、いいかも。
ニャンとさんのマフィンもとても美味しかったです。前回出店していただいた時は売り切れてしまって食べられなかったんですが、今回はそんなわけもなく(本当に申し訳ない……)、会場で食べ、帰宅して食べ、翌朝も食べるぐらいいただいてしまいました。
さて、この日を持ちまして「“いい試聴機”で聴こう!ほ〜ぷ軒わくわく試聴会」は終了となります。
僕はミュージシャンでもなければイベンターでもない、ただの客です。今回隔月イベントとして開催してきましたが、子育てに時間を割きたい年頃の子を持つ親としては、こうやってイベントをやることで休日が潰れるのは結構辛く、それによって自分がライブを観に行ける回数が極端に減ってしまい、楽しくやらせていただいていながらも、実は結構な負担になっていた、ということに、ここ数ヶ月で徐々に気づいてきました。
今回お客さんがゼロ、もしくはお客さんの反応無し、みたいなことになったら、もう本当に二度とやらないと心に決めたかも知れませんが、ありがたいことに、最後の試聴会に来てくださったお客さんから「いい体験が出来た」「終わるのは残念」「再開したらまた参加したい」というリアクションをいただいてしまったので、そういう方がひとりでもいらっしゃってくれるのなら、またいつかどこかで、新しい看板を掲げてやりたいな、と思います。
これまで4回やって、総計50人ぐらいの方に来ていただいた、ということを考えると、どこの馬の骨とも知れない素人が喋りながらレコードかけるだけのイベントにしては上出来だったんじゃないですかね。
ご来場くださった全ての皆さんに心より感謝します。本当にありがとうございました。
アンケートを書いて下さった方々にも更なる感謝を。皆さんが書いて下さったアンケートは、僕の宝物です。
それでは皆様、また会う日まで。
さようなら。
私たちの街 | |
白い汽笛
BounDEE by SSNW 2013-04-03 |