運河のほとりでおおだまこだま at 兵庫運河(Hyogo)

この日は兵庫運河で行われた「運河のほとりでおおだまこだま」を観に行きました。

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以前の「運河の音楽」の言わば続編ですが、規模は大幅に縮小し、神戸運河のみでのイベントになっていました。

今回も法螺貝の開催宣言でスタートし、続いてハンドベルのご婦人一団が登場。この日のメインステージとも言えるキャナルレガッタ神戸艇庫前での演奏に重ねるように、遠く離れたところから三田村管打団?の単音をサステインさせた抽象的な演奏が漂ってきます。

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ハンドベルの演奏が終わると、アキビンオオケストラの登場。微音を訥々と繋げながら、円陣を組んだりジャンプしながら吹いたりとミニマルなアレンジで空き瓶のシンプルなサウンドの可能性を(あくまでも深刻ぶったりせずに朗らかに)探っていました。最後はじゃんけんで勝った方が勝った「手」の分(グリコ、パイナップル、チョコレートというアレですね)進みながら退場。ものすごく時間がかかる上に距離が離れてくると手が見えないので、そのうち空き瓶の音より大きい声で「ぐー」などと言いながら進んでいて、最後の方は声も聞こえず、携帯電話で確認し合っていました。

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ここからは同時多発の演奏となり、稲田誠、山路知恵子と音遊びのメンバーらによる即興、細馬宏通による弾き語り、貝つぶののこぎりなどが繰り広げられていました。どれも面白くてじっくり観たくなるものばかりでしたが、結局貧乏性で色んなものを少しずつ観ているうちに終わってしまいました。

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同時多発演奏後は艇庫前で音遊びの会による演奏がメンバー編成を変えながらの複数のセッションを一時間ほど。緊張感を保っていたもの、途中からプツリと切れてしまったもの、初めから散漫だったもの、どれも優劣無く心地良く響いていて、あと一時間ぐらいは余裕で観ていられるほど時間の感覚を忘れさせてくれる演奏でした。多分、時間を決めずにやれば倍では済まないくらい続いていたんじゃないかと思います。一度限界まで聴いてみたいですね。

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音遊びが打楽器を打ち鳴らしながら左右に分かれて退場すると、向こう岸から管楽器の音。この日の管打団のメインステージはホールコンサート級の遠距離からの演奏でした。前回もそんな感じでしたね。ただ、この日は結構定位置からのかっちりとした演奏だったので、ハプニング的な展開は無く、手堅いパフォーマンス。位置を移動して反響音の違いなどを探ってみましたが、意外にどこからもディレイを感じさせず鮮明に聴こえていて、かえって面白みに欠けていた感も。

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最後に音遊びと管打団、その他メンバー全員が艇庫前に集合し、嵐のような轟音と共に大団円。夕焼け空に、最後の法螺貝が響き渡りました。
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演奏はどれも刺激的で、好天に恵まれた気持ちの良い空間で音楽を存分に堪能でき、とても楽しいイベントだったんですが、規模が縮小したためにコンテンツ的に物足りなさを感じてしまったのも正直なところ。またコンテンツ以外にも、場所の使い方にももう少しアイデアが欲しかったという思いも。

あまり運河という場所の音響的特性を活かしたプログラムがなく、また以前のように町中を舞台にしたことによる都市ノイズの参入など偶発性を呼び込む要素が薄かったために、前回のような音響的驚き、予期せぬハプニングが生まれず、言わばハプニング性という意味でもこの日のイベントの主軸になっていたという意味でも「音遊びの会頼り」な内容で、多くの演奏が「ここじゃなくても……」というレベルで収まってしまっていたのは少し残念でした。予算が前回より遥かに少なかった、というのが原因なのかもしれませんが。

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