この日はKYOTO MUSEに怒髪天を観に行きました。
イベントでは何度か観ていましたが、ワンマンを観るのは、何と三年ぶり。しかも当時は磔磔でのワンマンがソールドアウトになっておらず(今回はMUSEが速攻で完売)、しかも僕はブログで「このバンド、もっともっと人気者になってほしいな」と書いていたんですが、今やCMに出れば商品が店頭に並ばなくなるぐらいの人気商品にし、トップランナーに出演し、今回のツアーは各地でチケット完売の連続。正にブレイク。すっかり「疑いようのない人気者」になっていました。
勿論それで演奏の質が変わることなどなく、相変わらずの熱く激しく、笑いも涙もある、最高に楽しいライブでした。
「オトナノススメ」で始まり、「ヤケっぱち数え歌」、「労働CALLING」と続くオープニングで速くもスピード前開。MCでも楽しませながら新譜からの曲と旧曲を織り交ぜながらのセットは、やや段取りらしさが出過ぎている気もしましたが、本編ラストでの「クソッたれのテーマ」〜「ド真ん中節」を全身全霊で絶唱する増子直純が圧巻。文字通り命を削って歌うような鬼気迫るものがありました。
しばらく時間を置いてのアンコールでは、始めに上原子友康と清水泰而のみ登場し、上原子がギターをつま弾き始めると、坂詰克彦が歌詞カード片手に「昔の名前で出ています」を調子っ外れで歌いながら登場。後から現れた増子が開口一番「酷いな」。そこで見本だとばかりに歌った増子版「昔の名前で出ています」はさすがの素晴らしさでした。二度目のアンコールの際には、坂詰ひとりで同曲の2番を(少しましになった歌唱で)歌いながら登場していました。ほんと、イジられ上手なキャラですね。
その、この日最後の曲になった2度目のアンコール曲「セバナ・セバーナ」では、増子がマイク片手にフロアのド真ん中で歌い、周りのお客さんたちとハイタッチしながらの大騒ぎ&大盛り上がり。僕も柄にもなく増子さんに駆け寄ってタッチしました。
終演時間は19時50分頃。かなり短い部類だと思いますが、あの全身で歌うような歌唱を観ていると、これが限界だろうな、と納得してしまいます。
それほど、暑苦しいほどに熱く、説教臭いと言われかねないほどにストレートなメッセージですが、それでも嫌味に感じない、むしろ心地よく思えるのは、叩き上げで25年かけてここまで来たそのキャリアと愛すべきメンバーのキャラクターによるものでしょう。「セバナ・セバーナ」終了後、ステージの上からお客さんを手招きし、身を乗り出してお客さんに触れさせていた兄ィの姿が印象的でした。僕が「もっともっと人気者になってほしい」とこのバンドに対して思ったその気持ちが「正しい」と改めて感じられた瞬間でした。
オトナマイト・ダンディー | |
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増子直純 怒髪天
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