瓜生山ライブ at 京都芸術劇場 春秋座 (Kyoto)

この日は京都造形芸術大学で行われた瓜生山ライブに行ってきました。

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会場は、校内にある京都芸術劇場 春秋座。洋式の劇場の体でありながら、桟敷席があったり提灯がぶら下がっていたりするハイブリッドな仕様。立派な施設です。

会場内は、見渡す限り学生で、一部一般客、という印象。30もとっくに過ぎているので、なかなかのアウェイ感。

まずはHOSE。初見でしたが、シンプルながら憂いのあるクオリティの高い楽曲も、絶妙な間合いで音を紡ぐ、適度に揺らぎながらメロディを奏でるアンサンブルも素晴らしい。それなのに、ど頭ではすっ頓狂なMCで笑いを誘い、後半では客席に降りて「シャルウィダンス?」とお客さんを相手にぶっきらぼうな社交ダンスに興じてみたりと、何とも掴み所のない、人を食ったユニットでした。

アルタードステイツは、FBI以来久々に観ることができました。兎に角、あの三人の強烈過ぎる個性同士が本気でぶつかり合っているだけで、エンタテイメントとして成立してしまうという凄さ。キャラ立ちしまくった三つ巴のフルコンタクトに酔いしれました。最近は単なる人気者の寄せ集めのような、まるで落語会の最後にやる大喜利のようなイージーな即興を目にすることも多くなった気がしますが、20年間やり続けてきて、今なお鋭利な刃物のようなシャープさを維持し続けている集中力・攻撃力はさすがです。

初来日というJaga Jazzistは、なんの予習も無しに観ました。最初の印象は、DCPRG的なポリリズム、楽器の取っ替え引っ替えが!!!っぽい、何となくかわちながの世界民族音楽祭に出てそう、という感じでしたが、聴いていて特にインパクトが強かったのが、9人編成で様々な楽器を使い分けながら複雑な構成の曲を次々と演奏する中でどんどん増してくる音の「強さ」「存在感」。巨体を揺らしながらドッカンドッカンとダイナミックに叩くドラムスに、スピーカーを抜き去るほどのパワーでブロウするトランペット、1曲目から弦が切れるほどに激しく身体を揺らしてかき鳴らされるギター……特にチューバの音が強烈で、一気呵成の合奏時にもバリバリと猛烈な爆音で唸りを上げていました。

コンサートホール故に音が反響していてタイトさに欠けてしまってはいましたが、各プレイヤーの演奏が聞き分けられる程度にはバランスが保たれており、各プレイヤーの鳴らす「芯の太い音」で折り重ねられるグルーヴによって生み出されるパワフルな音の壁で、終始聴衆を圧倒します。

曲によっては、タイトルコールやイントロだけで歓声の上がる瞬間も何度かあり、これは予習してた方がより楽しかったかな、とも思ったので、またの来日に期待。出来ればクアトロのような音のカッチリした会場で。

15時半にスタートし、終了は19時半。ホール内だけで完結するやや淡白なイベントで、周りは学生だらけで、やはりいい歳した大人が来るところじゃないな学祭ライブは、とも思いましたが、社会に出る前の若者たちが、「ジャズ」という括りでこれだけのバンドをタダもしくは安価で見る機会が与えられるというのは、ものすごく大事なことだと思いました。

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