生で観るのは初めてでしたが、年齢からも、それにも増して若く見えるルックスからも考えられないような強烈なエネルギーに、終始圧倒されっぱなし。
二時間以上にわたるステージは殆ど歌いっぱなしで、しかもあの美声が一切のフェイク無しで響き続けているだけでも驚異的ですが、歌っている時も間奏で踊っている時も、とにかく全身からポジティブなオーラが出まくっていて、それはまるで「歌の世界」に戻ってきたことに歓喜しているようにも見えて、なんだかこっちまで嬉しくなりました。
「彼女にしか歌えない歌がある」、ということも、生で観て強く感じたことのひとつです。伝統的な音楽と商業音楽の「結ばれるべきところ」を結び、より強い「歌」へと昇華させる才能。デビュー前に既にレコーディングされていたという「死んだ女の子」のような直接的で重々しいテーマの曲を、圧倒的な説得力を持って歌える人は、他にいないのではないでしょうか。
不世出の歌姫の、堂々たる帰還でした。
春のかたみ | |
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元ちとせ 松任谷由実 松任谷正隆
ERJ 2006-03-08 |