商売の定説が通用しない、サイゼリヤの完璧な値上げ

サイゼリヤ“硬貨の使用減らす”価格設定へ

サイゼリヤが、商品価格を変更するそうです。理由は、「金額に50円以外の端数をなくし、硬貨の使用機会を減らすため」。

サイゼリヤのメニューは税込み299円など、1円減らして安さを強調するような価格設定ですが、そもそも税込み価格なので、他店で伝票を見た時の「思ったより高かった」が無く、あまりの安さに笑いそうになるほどですので、今回の実質値上げ(9割の商品が値上げされることになるそう)もネガティブに受け取られることはあまりないかと思います。

何より値上げの理由が、これまでも効率化の徹底がブランドイメージ向上にもつながっていたサイゼリヤらしいものですので、むしろ歓迎されても驚きません。商売の定説からすると、ジャスト300円は、299円との金額差以上に割高感を与えるはずですが、そもそも300円でペペロンチーノが食べられるわけですから、割高感もへったくれもありません。

「総額」に割高感 販売3%減 人間だもの 見た目が大事

それを言えば、↑にもあるように、税込み表記は、税別表記よりも購入意欲を削ぐはずです。増税の際に無印良品が「価格を変えず税込み表記を維持」という戦略をとった際も、そのユーザーベネフィットを理解してもらうために、かなり力を入れて告知していましたが、それは他店が税別表記している中で税込み表記することのリスクを理解していたからでしょう。

サイゼリヤの場合は、ライバル店には真似できない価格と戦法で勝負しているので、あらゆる定説が通用しません。その上、値上げ自体をブランディングに使えてしまうのですから、感心するしかありません。

コロナ禍は、飲食店にとって大きな打撃になりましたが、特に効率化を標榜するお店ほど、店内でのソーシャルディスタンスという非効率が求められるため、ダメージは大きかったと思います。しかしサイゼリヤは一斉休業を実施、「『3密』を回避するためのレイアウトおよび設備の変更」「緊急事態宣言解除に伴うメンテナンス」「テークアウト販売の増加に対応する対策」を行ったということです。8月からは、唯一の課題とも言えるキャッシュレス決済にも対応していくそうですから、もう死角が見つかりません。

さて、久々に近くのサイゼでまちがいさがしでもしますか。

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