お盆の9連休にPayPayを使いまくろうと毎日出かけて使ってみた結果見えた問題と今後


みなさま、お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。
9連休だった僕は娘と二人で毎日出かける予定だったので、この機会に「今、QR決済ってどの程度使えるのか」を検証するために、スマホにPayPayを入れて、本人認証も行い、ガンガン使える状態にして連休に挑むことにしました。なぜなら、QR決済を使うと、とっても便利で、とってもお得だと、みんなが言っているからです。

まず本人認証は、僕が使ってるAmazonのカードは三井住友なので、普段ネットでカード決済する時やマイページにログインするときに使うパスワードで認証できたのでとても簡単でした。

というわけで、第1日目の一店舗目。

【浪速アイススケート場】
娘が毎週土曜日にあるスケート教室に通っているので、この日は朝から難波へ。浪速アイススケート場は昔からある施設なので、チケット購入は券売機、自販機は現金利用のみ。当然、PayPayどころかカードも使えませんでした。

【駄菓子屋 夢ぎゃらりい】
なんばウォークにある駄菓子屋さん。ここも現金のみ。単価安すぎるものね。

【大起水産回転寿司】
なんばウォークのお寿司屋さん。クレジットは使えたので、クレジットで決済しました。

【サーティワンアイスクリーム】
最近QR決済に対応したんですね。今までは基本現金のみで、イオンモール内の店舗のみイオンのカードが使えるというルールでした。僕はここで、人生初PayPay。

使ってみて思ったのは2つ。1つ目は、超早い。クレジットだとカードの読み取り、暗証番号の入力またはサインの手間があり、カードの読み取りも結構時間を取られるんですが、PayPayだと数秒で決済完了。手間もなし。これは本当に便利だと思いました。
2つ目は、スマホアプリは同時に二つ表示できないということ。僕はサーティワンのアプリも入れているので、そちらも提示しつつ、PayPayの画面も見せなければならないので、事前にどちらかのアプリを準備しても、準備していないもう一方のアプリは改めて一から用意しなければいけません。どちらを先に見せるべきなのかもよくわからず、慣れるまで手惑いそうです。

【ハンズ】
ハンズもPayPay対応でした。この日は娘が工作教室に参加するために行ったんですが、参加料500円も現金ではなくレジでの決済でした。が、僕はハンズがPayPayに対応していることを知らず、いつもハンズではカードを使っていたので、この500円はカード決済してしまいました。その後、買うものがあったので、PayPeyで決済したんですが、先程の「スマホアプリは同時に二つ表示できない」問題のため、ハンズアプリを提示し忘れてしまいました。どっちが得やねん。

【セブンイレブン】
今日本で最もPayPayが使えそうなお店。というわけで、お水購入でPayPayで決済しました。

1日目から調子よくPayPayが使えました。非常に好調な出だしだったんですが……。

2日目。

【平和堂】
娘の水泳用ゴーグルを買いました。クレジット決済のみ対応でした。

【パントリー】
JR高槻駅構内にある成城石井ライクな高級スーパー。クレジットが使えず、iD、QuickPayには対応していますが、僕のスマホはiPhone SEなので、お財布ケータイに非対応なのです。結局、現金払い。

【近江舞子浜水泳場】
毎年、7月と8月の日曜日は娘と琵琶湖で泳ぐのが決まりで、今年も何度目かの着水。かき氷、ソフトクリームなどが売っているお店が連なっていますが、どのお店もレジらしきものの存在感すらない(消費税の存在感もない)ので、現金のみに決まってるわなあ、という世界。今時はこんなお店でもPayPay使えるんだあ、なんてことは一切ありませんでした。

【ジュンク堂書店】
Apple Pay 楽天Payなどには対応していましたが、PayPayは非対応。Apple PayもiPhone SEだとネット決済にしか使えません。ということでクレジット払い。

【パステル】
平和堂内のイタリアン。平和堂各店舗とサービスは同じっぽく、つまりクレジット決済しました。

【ミスタードーナツ】
僕はミスドカードを持っていて、チャージして使っています。ミスドカードの良いところは、毎月の支出の中で、「今月は少し余裕があるな」という月に、とりあえずチャージしておくと、余裕のない月に子供とおやつを食べなきゃならないシチュエーションで不要な支出をしなくて済む点です。ポイント云々はほとんどカスみたいなものなのでメリット無いです。

以上が2日目。PayPayの出番なし。

そして3日目。

【RYU-RYU】
阪急六甲駅構内にあるイタリアン。クレジットのみでした。

【周遊乗車券】
六甲山を登るケーブルカーと、山上を走るバスに乗るためのチケット。窓口に分かりやすく「現金のみ」と書かれていました。

【フォレストアドベンチャー】
六甲山にあるスキー場で、夏場に開催されている森の中の遊具施設。現金のみかと思っていたら、クレジット可能、さらにau Payや交通系ICカードにも対応していました。しかしPayPayには対応していなかったのでクレジットで決済しました。

【カンツリーハウス内ショップ】
同会場にある飲食販売のお店。現金以外が使える気配、全くなし。

結局3日目もPayPayは全く使えませんでした。

4日目。

【セブンイレブン】
最近は遊園地・動物園などのレジャー施設が、入場時の混雑対策のために、入場券をコンビニで先に購入できるようにしています。この日はビッグバンという屋内遊具施設(松本零士のオリジナルキャラが跋扈し、巨大なワニと昭和の街並みが同居する、ちょっと頭のおかしな最高の施設です)に行くためにチケットを発券しました。チケット発券でもPayPay使えるのかと聞いてみたら、クレジットかnanacoしか駄目でした。

【大阪王将】
ビッグバン近くの飲食店街には、「PayPay使えます」というのぼりの立った中華料理屋もありました。しかし、娘の希望で、カウンターしかない、客の目を一切見ない無骨な店員と天吊の小型テレビに迎えられて大阪王将へ。無論、現金。

【ビッグバン】
子供向けの工作教室があったのですが、結構古い施設ということもあるし、しかもその場で参加、ということなら現金のみだろうとタカをくくっていたら、なんとsquare使ってました(どうやら工作教室は、施設外から業者が入っていたみたいです)。というわけで、クレジット決済。

【とろ家】
阪急茨木駅構内にある海鮮丼のお店。クレジットは使えました。

こんな調子で3日連続PayPay利用ゼロ。使う気満々なのに。

台風の気配が近づく5日目。娘+姪の3人で出かけました。

【モスバーガー】
モスカードを使っています。理由はミスドと同じ。ミスドカードもモスカードも、アプリになったので、紛失リスクもなく、より安心して使えます。モスはもともと現金しか使えなかったこともありカードを始めましたが、今はクレジットはじめ交通系IC、お財布ケータイなどにも対応しているようです。

【トムとジェリー展】
大丸心斎橋店で開催されていた展覧会。大丸のカードだったら使えますよ、という、よくある百貨店対応だったので現金払い。

【トムとジェリー展 物販】
今のデパートの催事は、物販だと普通にクレジットで決済できるものですね。もちろん、QR決済に対応するそぶりは全くありませんでした。

【鳴門鯛焼本舗】
長堀橋の地下街にある鯛焼き屋さん。LINE Payとクレジットに対応していました。なかなかPayPayに対応したお店にありつけません。

台風接近の6日目。午前中は出かけても問題なさそうだったので、最寄り駅の西武へ。

【ロフト】
久々のPayPay対応店。しかし、いつもの癖でクレジット決済をしてしまいました。問題は、レジ前の対応決済サービス一覧が、動線からレジに向かうと奥にあるため、「買う前」ではなく「買った後」に目が届くことです。これは1日目のハンズもそうでしたし、そもそもどの店もこのパターンが結構多く、カード決済が可能かどうかも、聞いてみないとわからない店は論外だとしても、掲示するならレジに並ぶ列の入り口に貼るとか、せめてレジの手前側に貼るとか、配慮してほしいものです。特にハンズでもロフトでも、レジ前の混乱を避けるために柵を立てて動線を一方向に定めていて、丁寧に「入り口」「出口」という立て札まであるんだから、そこは気づいて欲しいです。

【紀伊国屋】
ジュンク堂と同じ感じでした。

【じゃんぼ總本店】
路面にある、たこ焼き・お好み焼き・焼きそばの持ち帰り専門店。LINE Payのみ対応していました。惜しい。LINE Pay使ってないと現金払いになるという落差、つらい。

台風明けて7日目。

【ビッグボーイ】
QR決済に対応したファミレスってあるんでしたっけ。ともあれ、クレジット決済しました。

【イオンシネマ】
イオンはそもそも自社でプリペイドやら銀行やらやってるので、そりゃPayPayなんて使わせるわけありませんね。映画のチケットはネットで購入できるので、さらに出番はなくなります。ちなみに「天気の子」を見てきました。

【イオンモール】
実は事前にイオンギフトカードを持っていて(娘が誕生日にもらったもの)、それを使って買い物をしたので、PayPayのペの字すら浮かぶはずがありません。

【神戸屋】
JR高槻駅構内のパン屋さん(パントリーの向かい)。ここはずっと前から交通系ICしか対応してなくて、現金の持ち合わせが少ない時に困らされたことがありますが、今も同じでした。

【ダイコクドラッグ】
激安ドラッグストア。安い店ほど現金払い。というわけで、小銭まさぐって決済しました。

【ガスト】
ビッグボーイと同様。

8日目は、1週巡って土曜日なので、またもや浪速アイススケート場へ。そのまま難波で食事をし、梅田へと移動しました。

【羊の家】
なんばCITYにある飲食店。とても雰囲気の良いお店でした。クレジットで支払いました。

【甘党まえだ】
甘味処です。現金または各種ギフトカードというイレギュラーっぷり。抹茶ソフトは抹茶の風味が濃厚でした。

【阪急うめだ店】
この日はピーナッツ(スヌーピー)の催事。今まで見たことのないほどの商品数が並べられていました。そして、「デパートの催事は、物販だと普通にクレジットで決済できるもの」なのです。

【ABCマート】
娘のサンダルを買いました。クレジットで。

【杵屋】
うどんを食べました。クレジットで。

1日目以降、一度もPayPayを使わないまま、最終日へ。この日も1週巡って日曜日なので、またもや琵琶湖へ行き、帰路の途中で京都で降りたのですが、ビックカメラに寄りはしたものの、何も買うものがなく、そのまま帰宅しました。

その日の夕食は、

【サイゼリヤ】

以上、クレジットの利用明細を見ると、カードで35,000円、PayPayは1,000円弱の利用でした。

PayPay使うつもりで街に繰り出しているのにこの利用率はなんなんだろう、とずっと考えていたんですが、まず「普及していない」という単純な理由と、もう一つ「お店が使いたがっていない」のも暗に感じられました。前者だけだと時間の問題で解決するような気がして、僕もそうなのかなあ、とぼんやり思っていましたが、実際使うつもりで各店舗の決済対応を見ると、問題はそこじゃないな、という気がしてきます。

自宅近辺でも、居酒屋や個人経営店などが、PayPay対応しているケースが多いです。うちの母が通っている美容室もPayPay対応していました。これは小さなお店でも気軽に導入できるというメリットなんだな、と思って見ていましたが、それよりも「大きなお店」「大規模チェーン店」が導入していないのはどうしてか、という問題なんだろうということです。

それはハンズやロフトにおける「アプリのバッティング」、イオンなどで見られる「サービスのバッティング」、そしてコンビニでの少額決済に有効なのにサイゼリヤ、ダイコクなどは現金決済しか受け付けないという「価格帯のギャップ」から感じられました。つまり現在強引に普及させようとしているQR決済は、キャッシュレスの便利さという「顧客が気づかなかったメリット」を提供しているように見せかけて、「隙間のないところにねじ込むように、無理やり市場を形成しようとしている不要なもの」だということです。

これによって何が発生するかというと、答えはひとつ、「無駄遣い」です。

PayPayが話題に上るきっかけになったポイント還元サービスも、大の大人が「数万円の買い物してもタダ同然になる」と狂喜乱舞してましたが、例えば5万円の買い物をして5万円を返してもらうのではなく、5万円分のポイントがつくのなら、それはタダでもなんでもありません。ポイントでキャッシュバックされた5万円で何や有益な買い物ができたとしても、最初に使った5万円は戻ってきませんし、10万円のものを5万円で買ったことにもなりません。キャンペーンに煽られて不要不急の買い物をさせられていることに、そして不要不急の買い物とは無駄遣いのことであることに、全く気づいていません。そもそも、PayPayの機能は不要不急の買い物をさせるためのものとも言えるでしょう。

人はポイントが貯まることが好きで、ポイントを貯めるために買い物をするという本末転倒な行動に走りがちです。10%引きの方が、10%ポイント還元よりも得であることはもはや常識でも、この傾向は変わらないようです。増税前の駆け込み需要も、ここにきて増え始めているようですが、大きな買い物における今の2%は、増税後上がったとしても、数ヶ月経てばもっと下がる程度の率です(特に駆け込み需要の多い大型家電では)。ポイントを貯めるというゲームにハマっているのだとしたら、それはそれでいいのかもしれませんが、損したくない、得したいのなら、やめるべきゲームです(お店を応援したい、などの別の意図があれば別です)。

というわけで、結論としては、QR決済は今の状態だと対して便利ではないし、得もしないということになりました。政府のキャッスレス普及に煽られて無駄遣いをしたくない人は、QR決済には手を出さず、クレジット決済に絞って、カードもなるべく一枚に集中させ(クレジットカードのポイント的な特典は、自分にとって最もメリットのあるものに集中してポイントを貯めなければ、結局損することになりかねないので、自分の消費行動を理解した上で「どのカードが自分にとって1番得か」を考えて選びましょう。僕はAmazonのカードにほぼ一本化して、貯まったAmazonポイントで毎月古本を買ってます。)、利用明細を家計簿代わりに使うことで支出管理をする(家計簿は能動的につけるよりも勝手につけてくれた方がいいですよね。そしてクレジットの良いところは、ほとんどの買い物を一括管理できる点にあります。他の決済方法では家計簿の代用はできません)ことで、賢く節約した方が良いですよ。というのが、9日間の休日のお買い物から僕が導き出した結論でした。

ちなみにPayPayの買い物で、4円のポイントがつきました。は、は、は。

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