まとまったお金の唄 at 厚生年金会館芸術ホール(Osaka)

今日は厚生年金会館芸術ホールで、大人計画の舞台「まとまったお金の唄」を観てきました。

大人計画の舞台を観るのは初めてでしたが、お客さんの雰囲気が(役者さんの芝居に対する反応の仕方などから)他の舞台と比べても固定ファンが多そうで、さすがスター選手の揃った劇団だな、という印象でした。

……いやまあ、正直言って、ちょっと苦手。だからグループ魂とか観に行きたいと思わないのよね。

お芝居自体はとても楽しめました。大阪万博前後の関西を舞台にした話で、ほぼ全員が関西弁で喋っていましたが、皆さん意外と上手くてびっくり。

冒頭からまくしたてるように支離滅裂なギャグの連発と激しい場面転換に圧倒されましたが、その中で終始強烈なエネルギーを発していたのが母役の荒川良々で、まるで違和感を感じない女装の見事さと、静と動、正気と狂気をもうスピードで行き来する姿は実に見事で、彼の存在感が舞台を引っ張っていたようでした。

痴呆症を患う母(祖母)、実在しないナレーターとしての孫、という設定が、先月観た「カラフルメリィ」を彷彿とさせる部分がありましたが、実父の死を背負って書かれた「カラフルメリィ」のシリアスさよりも、ひたすら茶化して感動しそうになったらふざけてはぐらかす今日の舞台」の方が、劇場を後にしてから心に重く残るものが強いように感じました。まあ、比較するものではないんですが、随所に力技で挟み込むギャグの(良い意味で)くだらなさ加減が、そういった重いテーマに対する「照れ」なのかな、というふうに思ったんですよね。

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