「カラフルメリィでオハヨ〜いつもの軽い致命傷の朝〜」NYLON100℃ 28th SESSION at IMPホール(Osaka)

今日はIMPホールで、ナイロン100℃の舞台 「カラフルメリィでオハヨ〜いつもの軽い致命傷の朝〜」を観てきました。四度目の上演ということですが、僕は初見。

死を間近にする老人の、彼を取り巻く家族の悲喜劇と、彼の狂気とポエジーのない交ぜになった精神世界を交互に描きながら、ラスト数十分ではその境目は極めて曖昧になり、舞台を老人の夢想が覆い尽くした彼岸に達したその時……。

ショートコント的な構成やミュージカル調の演出、リアリティを感じさせる家族ドラマ等々、多彩な要素を丁寧に構成した、というより、歪なまま闇鍋にぶち込んだようなある種錯乱したストーリーは、まるで、痴呆症を患い、幻想の中死へ向かう老人の、心の中を覗き込んだかのようでした。

例えば高熱を出して寝込んだ時、激しい発汗・頭痛の中、長い長い夢の中で、壮大なストーリーが(あらゆるところが完全に破綻しながら)進んでいて、その世界の中では自分は映画の主人公のように力強く、権力と立ち向かう……そんな夢を見た時の感化にとても近く感じ、もし自分が死期を迎える時、こんな幻想の世界に浸りながら、生涯の最後の瞬間を迎えるんじゃないかな、などと、享楽的なラストシーンのダンスを観ながら考えていました。

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