今日は、京都の法然院の本堂で行われたFilamentのライブに行ってきました。
本堂内は、都市のノイズが殆ど入って来ない閑静な空間。
右手にSachiko M、左手に大友良英、というポジションで、二人の間隔を大きく空け、それぞれが2チャンネルのモニターをセットし、中央には開け放たれた障子の向こうに見える緑豊かな庭園。堂内の照明は極限まで抑えられ、むしろ蛙の棲息する庭のほうがライトアップされていました。
右からサイン・ウェイヴ、左からターンテーブル・ノイズ、そして中央から、まるで意志をもって二人の発する音に呼応する蛙の鳴き声や鳥のさえずり、獅子脅しの音……顔の角度や位置を変えるだけで、音像が劇的に変化する空間内で、前のめりになったりのけぞったりと、独り落ち着きなく音の変化を楽しんでいましたが、とにかくどこから聴いても発見のある不思議な感覚。
PAが音像を支配しない天然サラウンドの空間で、電子音と自然音が静かに入り乱れ、堂内を駆け巡る、正に「ライブ」という言葉にふさわしい、現場の総てを楽器にしてしまうかのようなインスタレーションに、すっかり酔いしれました。
やっぱりこういう京都ならでは、というパフォーマンスを体験すると、京都にいる歓びを実感しますね。
Filament 1 | |
![]() |
Filament (Sachiko M. and Otomo Yoshihide)
Extreme 2007-02-19 |