今日は、京都大学西部講堂でのライブ・イベント「P-hour 07」、最終日に行ってきました。
一発目は、岸野雄一のバンド・WATTS TOWERSが登場。ラブリーな歌詞とひねくれたポップセンス、さらに犬や兎のダンサーが登場したりと、音楽への愛情が溢れたサービス満点のステージは、何の予備知識も無いまま観ても楽しめる内容でした。
(今回のSPARKS公演は岸野氏主宰のレーベルプレゼンツ、との事。うーん、リスペクトっ)
続いては、新作のリリースも間近なKahimi Karie。彼女のウィスパーボイスは、西部講堂のように残響音のきついハコだとバンドの音に埋もれてしまいがちですが、この日は大友良英のアコギ、石川高の笙、という、彼女の声を生で聴くにはベストな小編成。実に素晴らしい空間を作り出していて、特に笙が見事にハマっていて、これはもう「必然」と断言したくなるほど。この編成でのアルバムも聴きたいなぁ……。
そして、ついに活動終了を宣言したSpank Happyは、野宮真貴をフィーチュアしたスペシャル・バージョン。Spank Happy自体、生で観るのは初めてだったんですが、エレガントの塊のよう野宮さんがド派手なドレスに身を包んで優雅に踊る様を見ていると、まるで最初から彼女が歌っていたかのようでした。きっと彼女が最初から歌っていたら、このユニットの運命は全然違ったものになっていたんでしょうね。
このファイナルツアーのために特別に用意されたピチカート・ファイブの「トゥイギー・トゥイギー」とSPARKSの「When I’m with you」も、スパンクスのオリジナルかと見紛うばかりのジャストフィット。リップシンクだと分かっていながらも鳥肌が立ちました(菊地成孔のインチキ臭さ爆発の衣装にも別の意味で鳥肌が立ちましたが)。
そして、この日の最後であり、7回にわたって続けられてきたP-hourというイベント全体の最後を飾ったのが、SPARKS。前半は映像と演奏を見事にリンクさせ、壮大なロック・オペラを披露。次から次へと繰り出される映像とシンクロしたパフォーマンスの楽しさに、すっかり引き込まれてしまいました。
後半には純粋なバンド編成で、過去の曲からのセットリストでプレイ。前半でもそうでしたが、ボーカルのラッセル・メイルが、終始ステージ上を駆け回っていて、しかも声が全然衰えておらず、昔のままのハイトーンとファルセットで歌っていたのにはびっくりしました。1971年結成でしょ。いくつなんだよ。若いなぁ……。
「Tryouts for the Human Race」にも興奮しましたが、フロアが最大に湧いたのは、やはり「This town ain’t big enough for both of us」
。曲終了後も、割れんばかりの拍手がしばらく鳴り止みませんでした。
エンタテインメントが凝縮された楽しいライヴは、アンコールではPAのスタッフまでも踊り出す盛り上がりをみせて、終了時刻の21時に終了。講堂を出ると、出入り口に並ぶスタッフの姿。
これでP-hourは、とりあえずおしまい。
あっという間の二日間でしたが、改めて「音楽って楽しいなぁ」と、心底思う事が出来た二日間でもありました。他には無い個性的なアーティストのブッキングに何度も狂喜乱舞させられた事を思い返すとなかなか受け入れづらい気分なんですが、永遠に続くものなんて何も無いし、続くと分かっていたって、それはそれでつまらない。
またいつか、西部講堂でこのイベントと再会できる事を期待しながら、とりあえず「おつかれさま」と言わせていただきます。
The Best of Sparks | |
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Sparks
Repertoire 2000-10-16 |
☆P-hour音源収録のソフト☆
BOYCOTT RHYTHM MACHINE | |
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オムニバス
インディペンデントレーベル 2004-12-15 おすすめ平均 |
MUSICAL FROM CHAOS2 | |
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DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN 菊地成孔 坪口昌恭
コロムビアミュージックエンタテインメント 2005-03-23 おすすめ平均 |