福井県立恐竜博物館に行って来ました

この日は、娘(6歳5ヶ月)と一緒に福井県立恐竜博物館に行って来ました。

電車を使った京都からのルートは、特急サンダーバードで福井、そこからえちぜん鉄道で勝山まで行き、バスに乗り換え博物館へ。

土曜朝7時台のサンダーバードは指定席がほぼ埋まっている状態。指定席にして良かった。もちろん娘も指定席券を買ったんですが、未修学児でも指定席の場合乗車券も必要だということを知らず、車内で支払いました。

最初は快晴だった車窓からの景色も、滋賀県を過ぎるころには雲行きが怪しくなり、福井に着いたらすっかり雨。

隣接しているえちぜん鉄道の駅まで移動すると、改札前の特設カウンターできょうりゅう電車の特別券を購入。きょうりゅう電車は週末限定の勝山駅直行の臨時列車で、勝山駅からのシャトルバスも一緒に付いていました。

特別券だけでは電車に乗れないので、乗車券も購入。博物館のチケット、帰りのバスのチケット、えちぜん鉄道のフリーパスを兼ね合わせたセット券が1,820円で、普通に往復するだけでもお得なのでこれを購入し、いざホームへ。

きょうりゅう電車と恐竜博物館セット券

きょうりゅう電車は、従来の車両にジャングル風の草木の装飾を付けたりティラノサウルスの顔の巨大なオブジェを置いている……という程度のもので、あんまりお金は賭けられなかったんだなあ、という印象。乗車中に、車内モニターで映像が流れていたんですが、冒頭数秒とラストは福山オリジナルの恐竜キャラのCGが動き回っていたものの、大半はBBCの子供向けの恐竜ドラマを借りてきただけのもの(と福山の観光案内の映像)を流していただけなので、ちょっと期待外れな感じ。まあでも、追加300円で受けられるサービスとしては十分かな。ティラノサウルスの顔がかなりリアルな仕上がりだったので、これ作って力尽きたという気が。

きょうりゅう電車車内

降車後のシャトルバスも、スキーシーズンのものをそのまま利用しているだけだったので、これまた……という。ただ、勝山駅のホ―ムに恐竜の足跡が描かれていたのは、ちょっと可愛かったです。

勝山駅の恐竜の足跡

シャトルバスはがっかりだったものの、道すがらあちこちに恐竜のモニュメントが建てられていて、「恐竜のまち」という演出と、博物館へ行く人たちの高揚感を煽るにはバッチリな感じでした。

恐竜博物館入り口の看板

博物館に着くと、順路を辿らずにさっさと歩き始める娘。一応順路には「おすすめ順路」と控えめな表現がされていますが、結果的には、初めは一度順路通りの経路で見た方が説明の流れも分かりやすいし、要点は見逃しにくいという風に思いました(つまり、その辺がごちゃごちゃになってしまって分かり辛くなっちゃった、ということですが)。

サンタの装飾がされたフクイサウルスがあり、あちこちクリスマス仕様の演出がされているのかと思ったら、結局土産コーナーのごく一部とここだけでした。

サンタの装飾がされたフクイサウルス

中央の長いエスカレーターで最下層まで降りると、化石が左右に並べられたトンネルのような道を通ると、巨大な動くティラノサウルスが登場。凄い迫力です。京都市青少年科学センターとは、大きさもリアルさも全然違います。夜の街に照明が灯っているかのような館内の落ち着いた雰囲気も、良いムードを醸し出しています。

動くティラノサウルスを見上げる娘

館内は巨大な骨格模型、動くリアルな模型、実物の化石等が視界いっぱいに立ち並び、そのスケール感と情報量は、とにかく圧巻。向かい合わせに立った巨大なスクリーンでは恐竜時代の草原のCGが移され、片方のスクリーンからもう片方のスクリーンへと恐竜が駆け抜ける迫力満点の演出。

上を見上げるとドーム型の天井が夜空のように包み込んでいて、室内でも開放感があります。パネルのひとつひとつもデザインのクオリティが高く、点字パネルがなかなか格好良くて思わず指で撫でてしまいました。

点字パネル

他のフロアを見て回る前に、とりあえず昼食。施設内に小さなレストランはあるんですが、きっと混むだろうと弁当を持参。雨も一瞬止んでいたので、博物館から駐車場を挟んで向かい側にある休憩所(ロッジのような場所で、恐竜博物館の垂れ幕はかかっていたものの、それ以外は場違いな感じ)で食事をしました。この下が夏場はディノパークという別の施設が営業していた場所ですが、この時は閉鎖され、駐車場の拡張工事を行っていました。

ディノパークの看板

弁当を食べるも、外はさすがに寒く、やがて雨もまた強くなってきたので、食べ終わったらまた博物館へ直行。近くには恐竜をモチーフにした公園もあったので、ディノパーク含め、夏場にまた来なければ。

寒い外

館内はまだまだ見どころ満載で、子供向けの体験学習コーナーのような場所や、この冬新たに追加された展示物のコーナーなど、どこを向いても恐竜だらけ。

小さな映画館もあり、子供向けのアニメを観たんですが、絵も動きもいかにも低予算という感じで、設備の立派さの中に地方の苦しさを垣間見た気がしました。

実際、施設内はところどころモニタディスプレイが「調整中」の貼り紙がしてあり、あるコーナーでは並べてあるパネル4つが全滅、という場所もありました。さらに、展示物が誰かの心ない悪戯で壊される事例が多発している、との貼り紙も目に付き、かなり厳しい状況で運営している様子が感じ取れました。

「調整中」の貼り紙がされたディスプレイ

館内は、午前中はやや余裕があったものの、お昼を回ると続々と人が増えてきて、場所によっては人だかりになることも。雨とは言え、車で来る人が多いし、館内は広々快適なので客足に極端な影響は出ないのかも(きょうりゅう電車も乗車率はあまり高いとは言えませんでした)。

おやつの時間にレストランに並んでみましたが、意外に2、3組が並んでいるだけですんなり座れ、スフレケーキを注文(娘はソフトクリーム)。ケーキの中に恐竜の骨を模した板チョコが隠されていたのが、なかなか粋な演出です。

スフレケーキ

コンテンツは子供向けもありながら、大人も十分楽しめる興味深い資料がいっぱいで、客層は子連れから年配の方までまんべんなく、という感じ。恐竜だけでなく、地球誕生から生命の誕生、人間を含む様々な生き物の進化についての展示も充実していて知識欲も多いに刺激されます。足跡の化石について、隣で白髪の男性が「足跡が化石で残っているのは、足跡ができた上に火山の噴火により火山灰が降って固まったからではないか」というようなことを話されていて、耳がダンボに。文字情報もあちこちに沢山あったんですが、模型や実物に圧倒されて、細かなところまで読んでいる余裕がありませんでした。

色々見ている中に、地元の芸大生が越前和紙を使ったアイデア商品を並べた小さなギャラリーがありました。これが商品化されてたら買って帰りたかったな、と思わせるようなものも結構あってなかなか楽しかったです。自分が気に入った作品に投票する仕組みになってたんですが、いずれは商品化されるんでしょうか。

越前和紙恐竜クラフト展の看板

逆に、お土産コーナーにあるグッズは、ありがちなものも多くて今いち食指が動かず、消極的に土産と恐竜のおもちゃをちょっとだけ買って出てきました。

3時半頃に博物館前のバス停から勝山へ引き返し、えちぜん鉄道に乗って福井駅へ。行きと違い、通常運行の列車でしたが、バッチリメイクを決めた女性の添乗員さんがお客さんのいる車内スペースにいて、案内をしていたのがなんだか新鮮でした。

福井駅隣接の商業施設でお土産を買ってから夕食をとり、18時台のサンダーバードで京都へ(ホームまでのスペースに「乗車記念」と日付の書かれたサンダーバードの顔出しパネルと恐竜の顔出しパネルがあったのでしっかり記念撮影してきました)。すっかりくたびれて眠るかと思っていた娘は、車内でずっと漫画(退屈しのぎに数冊持ってきていた手塚治虫「タイガーブックス」)を読んでいました。

片道約3時間。特急含めて交通費も結構かかるし滅多には行けないなと思いますが、やはりこれだけの規模で何度も見たくなるほどのクオリティは値打ちがありますね。暖かくなったら、また遊びに来ようかと思います(その頃は娘も小学校に入ってしまい、更にコストが上がりますが……)。

限られた人員・予算の中で維持していくのもかなり大変そうですが、観光資源としては他ではなかなか用意できないコンテンツですし、今後も更に盛り上げていってほしいなと思います。

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(2015年12月02日現在)
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