Super Natural Vol.3 at BlueEyes(Kyoto)

この日は、BlueEyesで行われたイベント「Super Natural Vol.3」に行って来ました。

BlueEyesは初めて来たライブハウスでした。フロアが奥に長く、ステージも奥行きがあり、入り口からステージまで横幅が殆ど同じという形。ステージのバックはスクリーンとしても使えるようで、開演前やセットチェンジ中は色んなライブDVDを流していました。

オープニングバンドのLAFは、当たり障りのない平易なフュージョン風インストバンド。いかにも「中年男性が集まって手慰みでやっている」という感じで、腕利きのロックバンドが曲間にお遊び的にやるようなフュージョンぽい演奏を延々聴いているような曲ばかり。味わいも面白味も無く、殆ど寝ながら聴いていました。

続いての時弦旅団は、ギター、ベース、キーボード、ドラムスにトランペットを加えた編成でのジャズ/フュージョンバンド。フォーマットとしても悪くないし個々のプレイも良いものの、今ひとつ曲が冴えない。もっと行けるだろ……というところでまったりしたまま終わってしまう曲展開が多く、もっと大きな振り幅でも楽しませてくれそうな気がするだけに、聴いていて物足りなく感じました。メロディセンスも垢抜けないな、という気もしましたが、こちらはまあ、味わいでもあるかな。

そして最後はHemlen。ベース、ドラムス、ヴィブラフォンのトリオという、これまで見たことのない編成のバンドで、植村昌弘が完全無比なテクニックで叩く、叩く、叩く。

ベースがシンプルなリフを続ける上で、恵良真理のヴィブラフォンとドラムスがユニゾンで光速変拍子を叩きまくる様は圧巻。猛スピードで叩いた次の瞬間に全員ピタッと止まってブレイクを挟むところなどは人間業とは思えない反応速度で、あまりの決まり具合に思わず顔がニヤけてしまいます。

高速変拍子ドラムと言えば世間的にそれほど珍しくはありませんが、ヴィブラフォンとの絡みはかなり新鮮でした。70年代中盤のザッパバンドを彷彿とさせられる瞬間もありましたが、あちらは木琴、こちらは鉄琴ですから、こちらの方がジャズ寄りと言えるかも。ともあれ、何しろ四本のマレットが目にも止まらぬ速さで振り回されているので、マレットの先っちょがすっぽ抜けて飛んで来ないかしらと思うほどでした。

そして勿論、植村氏の引き締まったタイトな音とコンパクトなドラムセットから無尽蔵に溢れ出てくる多彩なフレーズは聴き応え満点。延々とドラムソロを叩いているかのようなめまぐるしい演奏でありながら、一音一音が重く鋭いので、曲のピークで起こる胸のすくような音の洪水には、弥増して心身ともに強く揺さぶられます。

鬼神の如き圧倒的な演奏の合間に挟まれる、ベース古太郎によるMCは、演奏中とは一転してユルくまったりとした喋りで笑いを誘います。前の2バンドと続けて聞いてると、MCへの反応の良し悪しは、上手下手以上に演奏内容と比例するんだな、と思いました。

そんな冗談ばかりのMCなので、最後の曲の前に「アンコール曲を用意してもアンコールされなかったら嫌なので、最後にアンコールの曲をやります」と言っても誰も本気と捉えず、演奏後にアンコールの拍手が続いたんですが、本当に曲が用意されてなかったようで「一生懸命やったので勘弁して下さい」という締めの言葉で終了しました。

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