坂本龍一 at 京都府立府民ホール ALTI (Kyoto)

この日は、京都府立府民ホール ALTI坂本龍一を観に行きました。

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前回のソロツアーと違い、小規模のホールを回るツアーにしたのは、全ライブ音源の配信という企画(なので、今回はあまり演奏内容に関しては書かないようにします)あってのことなのか、小さな箱を回りたいために音源配信を行ったのか、どちらが先なのかはわかりませんが、このクラスのホールで観られるというのは、なかなか贅沢。
今回も、ロビーでは環境対策に関するパネル展示が行われ、会場内ではスクリーンに、教授の関わったCMなどの映像が開演までループされていました。入り口でもらったチラシを見ると、「ケータイで撮影できる曲がある」とのインフォメーション。最悪なことに、この日に限ってケータイを家に忘れて来てしまい、仕方がなく嫁のNOKIA(画質最悪)を借りることにしました(それが上の写真)。

開演時間になると、「glacier」のSEと客電がクロスフェードするようにスタート。この会場は、座席が組み替え可能なこともあり、開演後に入ってくるお客さんや途中で席を立つお客さんの歩く「ギシギシ」という音が気になったり、足下を照らす青いランプが明るすぎて気になったりと、小さいハコなりの不満はありましたが、ピアノの音はきれいに響いていて、音量も適度に小さく、音響的にはいい感じでした。

そして、撮影可能な曲「composition 0919」ですが、これはもう、してやられた、という感じ。録音されたものを聴くとそうでもないですが、現場では、ステージからのピアノの音とケータイのシャッター音がほぼ同レベルで聴こえていて、ミニマルな楽曲に、鳥肌の立つほど見事に会場中のシャッター音が音楽的にリズムを刻んでいました。自由に写真が撮れる、と思って嬉々としてシャッタースイッチを押していたら、その瞬間に演奏者として巻き込まれてしまう、という、素晴らしいコラボレーション。あの、シャッター音が鳴り始めた瞬間の衝撃は、やはり現場でないと味わえないものでした。

前回ツアーでは、一人デュオの曲は、完全な独奏とはっきり分離されていましたが、今回は曲によってモニターのためのイヤホンを着けたり外したりしていて、気がついたら連弾だった、という瞬間が結構ありました。

本編の終了が結構早めで、ずいぶん短いな、と思ったら、1stアンコールが非常に長く、この日の演奏の中で、このブロックが最も緊張感に溢れていて、息をのむような感じで聴き入りました。

全編約2時間。美しいメロディを気持ちよく響かせる心地よさと、音の隙間にみなぎる緊張感が最後まで途切れることなく持続していて、終演後には、「疲労」とも「爽快」とも違う、「感動」や「圧倒」でも言い当てていないような、不思議な充足感で胸がいっぱいになりました。大阪もチケット取ればよかった……。

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