爆笑と陶酔の文章さん試聴会、沢山のご来場ありがとうございました

文章さん試聴会の様子

前回の稲田さん特集が他に類を見ない強烈な内容だったことと、やはり関西での文章さんの人気の高さ、普段なかなか聴くことの出来ないお話が聞けそうだという期待を持って頂けたのか、沢山のお客さんに足を運んでいただくことが出来ました。前回からのリピーターの方もちらほらお見かけし、大変有り難く思います。

そして内容はやはり圧倒的かつ貴重過ぎるコンテンツびっしりで、ド頭のポケットキノコ(さてこのバンド、どれぐらいの方がご存知でしょうか。僕は不勉強故全く存じ上げませんでした)に始まり、文章さんの音楽家としてのデビューからFBIへの出演、その後のBRIDGEでのエンジニアとしてのスタート、そしてBRIDGE解体後の、文章さんにとっても重要な録音作品群を様々なエピソードを交えて聴かせていただきました。特にBRIDGE以降の重要作、ゑでぃまぁこん「やっほのぽとり」はCDとマスター音源との聴き比べ、テニスコーツ「ときのうた」はCD、マスター、アナログを聴き比べましたが、作り手が届けたいと考える音がCDにプレスされた段階でどれだけ間引きされてしまっているのかを如実に感じられるほど、マスターは音全体が滑らかで、楽器や演奏家の存在を生々しく再現するようなクオリティでした。マスターはCDのスペックを超えたいわゆる“ハイレゾ”。これまで、ハイレゾと言うと音楽業界/オーディオ業界の商売っ気が前に立ち過ぎて忌避していましたが、こうやって実際にマスターを聴いてCDとの違いを知ってしまうと、これは配信で販売してほしいな……と思ってしまいます。

終演後に文章さんに、CDとマスター音源との音の違いなどについて少し伺ったんですが、CDとマスターの音の違いは間違いなくあるとは言え、今回のCDプレーヤー・Marantz SA8004(¥100,000- 税込定価)は、文章さんが今まで聴いて来たプレーヤーの中では、その劣化は一番少なかったということでした。

以前、何の因果か300万の超高級CDプレーヤーで試聴会をやったことがありましたが、恐らく普段皆さんがCDのポテンシャルとして想像する遥か上の音が鳴っていました。あのプラスチックの円盤が、水を得た魚のようにその全能力を解放していて、まるで嬉しくてたまらないとでも言うかのように、煌びやかで生き生きとしていたんです。

今回のマスターはどれもが大体24bit/48kHz(一部44.1も混ざってたかもしれない、とのことでした)、でしたが、試聴会では文章さんがプロ用機材でDA変換して再生していましたので、もしマスター音源を配信で販売するという方法を取ったとしても、自宅の再生環境で使っているDAコンバータが安物だったら、それなりのCDプレーヤーに買い替えた方が良い音で聴ける可能性もあるのではないかと思います。

結論が出るような話ではありませんが、文章さん曰く、24bit/48kHzならQuickTime Playerで聴いてもCDより音は良いということでしたし、近い将来、高音質配信という選択肢は本試聴会で素材になるようなタイプの音楽についても現実的になっていきそうな予感がしました(正直、まだ「DAコンバータが必要」ということに普通の人が全くピンと来ていないだけで、ここが誰でも当たり前に受け入れられるようになるか、何らかの形で解決すればCDは終わるだろうな、と思います)。実際、この日かけていただいたTEASIのハイレゾのライブ音源(無料配布しているもの)は、息を飲むほど素晴らしい音質でした。一方で、32bitだの384kHzだのと、無闇にスペックを上げることに意味があるのか、やっぱりアナログの方がいいんじゃないか、などなど、今や選択肢が色々と用意されている中で、自分が何をどう楽しむか、と考えていくヒントにも、この日の試聴会はつながっていたように思います。

……とまあ、本番の後ではそんなガチガチの話もしていましたが、本番中は文章さんの軽妙なお喋りと次々に連発される珍エピソードの数々で終始笑いの起こる楽しい時間になりました。ここには書きませんが、大事な話も沢山ありました。エンジニアの方がご自分が録った作品についてお話される機会は少ないですし、アーティスト自身が録音について深く掘り下げて語ることも多くはありませんから、お客さんにとっても文章さんにとっても、とても良い時間が作れたのではないかと自負しております(自負といっても、エンジニア特集はほぼ杉本くん一人で作ってるイベントですが)。

「試聴会はHOPKENで一番音源が売れるイベント」と杉本くんが言ってましたが、この日も文章さんがかけていた三田村管打団?やゑでぃまぁこん、goatのCDをお買い上げになったお客さんが何人もいて、やっぱり“いい音”っていうのは力があるなぁ、と思いました(まあこちらがあとお願いするとすれば、オーディオ機器の方もアサヒステレオセンターさんで……)。

杉本くんも僕も驚いたのは、この日後半にかけたgoatのマスター音源(CDでは感じられなかった、ギターのピッキングの動きやミュートの変化までリアルに目に浮かんでくるような凄い音でした)を、文章さんがこの日のオーディオシステムの特性に合わせて本番前にその場でミックスし直していたという話。あまりのことに言葉が出ません……。

というわけで、エンジニア特集第2回もおかげさまで無事終了。次回は7月頃を予定しています。引き続きエンジニア特集を予定していますが、予定は未定、ということで。

それでは、次回もお楽しみに。
文章さんの機材

B00CZ1V3JY

Headz 2013-07-16

価格 : ¥ 2,141 より

(2015年05月09日現在)

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