アイドルグループが「仲良く“わちゃわちゃ”してる」ということ

以下、あまりテレビも見ず、アイドルについて殆ど無知であり、しかし日本で40年に渡り普通に生活している限りは自然に触れる情報のみで書いてみました。

ある日の朝、娘とびわ湖へ遊びに行こうと電車に乗ると、居合わせた運動系の部活動をしているらしい女子高生3〜4人のグループがジャニーズ話に華を咲かせていました。

その中のひとりが、

「嵐の誰か一人が好きなわけじゃなくて、メンバーが揃って仲良く“わちゃわちゃ”してる感じがすごく好き」

と言うと、他の女性も「分かる分かる」と賛同。僕は横で聞き耳を立てながら、なるほどなぁ、と得心していました。あーそうか、今のアイドルの魅力には「“わちゃわちゃ”してなんぼ」みたいな側面もあるんだなぁ。

そもそもグループアイドルは、個人個人の魅力を引き立て合い、実態以上の魅力を醸し出すものだそうですが、恐らくそれは澄まして佇んでいるだけでは醸し出されず、皆で楽しそうに“わちゃわちゃ”するからこそ醸し出されるものだと思います。

……と思ったことを、SMAP解散の報を聞いた時に思い出し、「そういえばSMAPってもう、仲良く“わちゃわちゃ”してる歳でもないのかな」という点がふと気になりました。

テレビでアイドルグループが“わちゃわちゃ”してて面白い、という環境は、恐らく「アイドルがコントをする」ことに先鞭を付けたSMAP以降形になったものではないかと思います。それ以前(少年隊、光GENJI辺りでしょうか)は主に歌番組がテレビの中心で、ネタで笑わせたり素の喋りを聞かせるという発想はまだなかったのではないでしょうか(錦織や諸星が昔から喋りが達者だった、と僕が記憶しているのが歌番組によるものなのかどうか定かではないですが)。

女性アイドルグループも、復活の狼煙を上げたモーニング娘。にはレギュラー番組があり、テレビで“わちゃわちゃ”している姿が沢山流されていました。ドキュメンタリーとして舞台裏を追い続けていた初期の下地作りや楽曲の完成度が大きく貢献していたことは間違いないとは言え、“わちゃわちゃ”しているからこそ彼女たちがより魅力的だったのではないでしょうか。モーニング娘。が勢いを鈍らせたのは、初期の主要メンバーがいなくなっていったことよりも、テレビで“わちゃわちゃ”している姿が見られなくなっていったことに要因があるのかも知れません(それらとは全く別の方法で現場から叩き上げで作られたAKB48にはこのようなルールは適用されないのかも)。

SMAP以前のジャニーズのグループは、少年隊以外は解散しています。それぞれ理由はまちまちですが、アイドルとしての耐用年数を過ぎていることを自覚して解散する、という、一番あり得そうな、真っ当な解散をしているのはシブがき隊ぐらいのもので、しかも解散後ジャニーズ事務所から離脱するも三者三様で芸能人として成功しているという点も含めて例外的な感じがします。

SMAP以降のテレビを邁進し、今もグループとして目立った活躍をしているのはTOKIO、嵐あたりで、V6のようにテレビでは個人活動に終始しているグループが結構多く、それでも解散していないのは、SMAP以前のグループと違い、個人で活躍できる場が、グループに所属しながらも沢山あるので、解散がリスクにしかならないということなのかな、という気がします。

それでもSMAPが解散の道を選んだのは、年齢的にアイドルとしての耐用年数を過ぎていることを自覚し、最早嵐のように仲良く“わちゃわちゃ”してることが難しくなっているからではないかと思います。

元々SMAPにはメンバーの脱退、逮捕といったネガティブな事件を乗り越えて来た歴史があり、それらの事件はメンバーを鍛え、絆を深めたことになったのかも知れませんが、同時に彼らを大人へと成長させ、少年性を奪ってしまった側面もあるはずです。SMAP以降のテレビを体現し続けたことが、SMAPに「SMAP以降のテレビ」を強要することにもなり、そこから先に進めず、かと言って寄る年並には勝てず……という袋小路を打破するには解散しかなかったのでしょう。僕には、彼らの解散は過去のネガティブな事件とは真逆の、とてもポジティブな結論に見えます。

年始の黒服での謝罪は、解散への踏ん切りをつけるためには重要な通過儀礼だったのかも知れません。

もしジャニーズの中で次に「解散する理由」が生まれるとすれば、それは嵐ではないかと思います。そしてそれは、「メンバーが揃って仲良く“わちゃわちゃ”する」感じがキツくなってきた頃のことではないでしょうか。

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