この日は、FOLK old book storeで行われた、白い汽笛の小倉向、シャムキャッツの菅原慎一、Homecomingsの畳野彩加という三人によるイベント「秋にのっかって」に行って来ました。
FOLK old book storeは初めて来ましたが、古本屋雑貨の並んだ小さなカフェという雰囲気。
トップバッターは畳野氏。Homecomingsは以前感染ライブで観ているんですが、特に印象に残らず、といった感じで、この日の彼女の演奏も、声もギターも特に個性や味わいがあるとも思えず、どの曲も自分の横をすり抜けるように終わっていくような感触でした。
続いての菅原氏は、関西では初めてのソロ演奏だと思いますが、普段のバンドでの音響ではなく、小さなスペースでアコギとマイクのみのシンプルなセットでの演奏は、特に菅原氏の声の持つ色気が際立っていたように感じられました。シャムキャッツでの自作曲は勿論、「AFTER HOURS」制作の際にアルバムに収録されなかったというボサノバ風味の曲(浦安が埋め立て地で、小さい頃公園の砂場に貝殻が沢山あったということからインスピレーションを得て作られたという話でした)も披露。この曲ではiPhoneから打ち込みのリズムをそのまま流すという演出も意外にマッチしていて、大変魅力的な曲でした。ライブの後で、菅原さんよりデモCD-Rを購入。件の曲は“seashell song”というタイトルで収録されていました。
最後の小倉氏も、ソロで聴くのは初めて。白い汽笛でも声の艶、ギターの音色の滑らかさは抜きん出ていましたが、ノンリヴァーブでストレートに届いてくると、その魅力は更に引き立ち、もうこれ以上何も要らないと感嘆するしかないほど。久し振りに白い汽笛が観たくなり、小倉氏のソロもまた観に行きたくなりました。
後半、畳野氏をコーラスに迎え、「菅原くんには黙ってました。もし知ってる曲だったら飛び込みで参加してください」という前振りでカバー曲を始めたんですが、それがなんとシャムキャッツの“忘れていたのさ”。勿論菅原氏は慌てて飛び込み、お馴染みのコーラスを披露。それにしても小倉氏の声がこの曲にあまりにもマッチしていて、まるでオリジナルと見紛うばかり。後半、畳み掛けるように言葉を重ねるパートもギターを弾きながら見事に歌い切り「出来た……」と笑顔を見せると客席から拍手も。
最後には三人揃ってフィッシュマンズのカバーを演奏して終了。フィッシュマンズは全く聴いたことがないんですが、知らないながらも歌詞にグッと来ました。
私たちの街 | |
白い汽笛
SPACE SHOWER MUSIC 2013-04-02 |